訃報(2024年11月25日):ローマ教皇庁 諸宗教対話省 長官ミゲル・アンヘル・アジュソ・ギソト枢機卿座下が帰天(1952~2024)

 2024年11月25日、ローマ教皇庁 諸宗教対話省 長官ミゲル・アンヘル・アジュソ・ギソト枢機卿座下(His Eminence Miguel Ángel Cardinal Ayuso Guixot, M.C.C.I., Prefect of the Dicastery for Interreligious Dialogue)が帰天しました。
 1952年6月17日生まれの72歳。

 帰天に伴い枢機卿の人数は 232人 、教皇選挙権を持つ80歳未満の枢機卿の人数は 120人 に減少したようです。

 

 アユソ・ギクソット枢機卿逝去、教皇庁諸宗教対話省長官 – バチカン・ニュース

 ミゲル・アンヘル・アユソ・ギクソット氏(バチカン諸宗教対話省長官、枢機卿):中外日報

バチカンから日本の仏教徒(花まつり)と神道信者(新年)に宛てたメッセージは長官(議長)名で送られている。

 

 (英語)Spanish Cardinal Ayuso, head of the Dicastery for Interreligious Dialogue, dies – Rome Reports

ROME REPORTS in English:
Spanish Cardinal Ayuso, head of the Dicastery for Interreligious Dialogue, dies – YouTube

 

 (英語)The Vatican bids farewell to one of the most important cardinals in the dialogue with Islam – Rome Reports

ROME REPORTS in English:
The Vatican bids farewell to one of the most important cardinals in the dialogue with Islam – YouTube

キリスト教/スペインのブルゴス大司教区にあるクララ会の修道院の修道女たちが、教皇座空位論の“司教”に従いカトリック教会を離れると宣言した件、処分の手続きが開始されている模様(2024年6月)

 キリスト教/ローマ・カトリック教会/スペインのブルゴス大司教区にあるクララ会の修道院が、教皇座空位主義者(Sedevacantism)の“司教”に従うことを宣言した件。

関連:
 キリスト教/スペインのブルゴス大司教区にあるクララ会の修道院の修道女たちが、教皇座空位論の“司教”に従いカトリック教会を離れると宣言した模様(2024年5月)

 2024年5月29日に、イサベル修道院長の任期が終了ということもあり、該当する修道院が属する連盟はローマ教皇聖座に対応を要請し、ローマ教皇聖座は、ブルゴス大司教マリオ・イセタ・ガビカゴヘアスコア座下(Archbishop Mario Iceta Gavicagogeascoa, Archbishop of Burgos)をこの件の責任者として任命しました。

 (スペイン語:ブルゴス大司教区 公式ウェブサイト)Ante las novedades sobre la comunidad de Santa Clara de Belorado
 (英語)Excommunication looms for renegade group of Poor Clares in Spain  | Catholic News Agency

 6月6日に、大司教から派遣された3人が、修道女側に通知文書を手渡した模様です。6月16日までの弁明が求められているようですが……。その可能性はなさそうな対応だったようです。
 また、修道女側も、ブルゴス大司教側が修道院財産を(彼女らの認識によれば不当に)動かせないようにしていることと、修道院の敷地に3人が勝手に立ち入ったことに対し批判をしています。

分離した修道女側のアカウントに掲載されている、彼女たちが受け取った文書の画像と、6月6日の3人の来訪を受けてのコメント:
Queridos hermanos en Cristo: Paz y bien. A día de hoy nos volvemos a ver impelidas a desmentir los extremos en que los medios de… | Instagram

 

2024年6月18日追記:

 該当の修道女側の要請により、出頭期限は6月21日に延期となったようです。

 (英語)Schismatic Spanish nuns have last chance to avoid formal excommunication | Catholic News Agency

キリスト教/スペインのブルゴス大司教区にあるクララ会の修道院の修道女たちが、教皇座空位論の“司教”に従いカトリック教会を離れると宣言した模様(2024年5月)

 2024年5月13日、キリスト教/ローマ・カトリック教会/スペインのブルゴス大司教区にあるクララ会の修道院(ベロラドとオルドゥーニャ?)の修道女たちが、教皇座空位主義者(Sedevacantism)の“司教”であるパブロ・デ・ロハス・サンチェス=フランコPablo de Rojas Sánchez-Franco)に従い、カトリック教会を離れる決定をしたと報じられています。

 彼女たちの「カトリック・マニフェスト」によると、正統な最後のローマ教皇をピウス12世としており、その後のローマ教皇は現在に至るまで異端の僭称者ということになります。
 従って、彼女たち自身の立場からすると、現在のカトリック教会のほうがカトリックでなくなっており、彼女たち自身が正しいカトリックの立場を取っているという理屈になります。

 ブルゴス大司教マリオ・イセタ・ガビカゴヘアスコア座下(Archbishop Mario Iceta Gavicagogeascoa, Archbishop of Burgos)は、当初そのニュースを信じなかったそうですが、事実を確認したのちに、驚きと懸念を表明しています。

 

 (英語)Spain archbishop on schismatic nuns: ‘I don’t know if they realize the profound consequences’ | Catholic News Agency
 (英語)Nuns in Burgos and Vizcaya break with the Pope and the Catholic Church: "They will call us heretics and madwomen" | Sur in English
 (英語)Schismatic Poor Clares: A major scandal surrounding a small monastery – english.katholisch.de
 (英語)Spain Archbishop on Schismatic Nuns: ‘I Don’t Know if they Realize the Profound Consequences’| National Catholic Register

 

続報:
 キリスト教/スペインのブルゴス大司教区にあるクララ会の修道院の修道女たちが、教皇座空位論の“司教”に従いカトリック教会を離れると宣言した件、処分の手続きが開始されている模様(2024年6月)

キリスト教/ポルヴォー・コミュニオンを構成する教会の指導者らが、ロシア正教会モスクワ総主教キリル聖下に戦争を終結させるよう努力を要請する書簡(2022年10月)

 キリスト教のポルヴォー・コミュニオン(The Porvoo Communion)は、2022年10月11日から10月13日まで、フィンランド共和国のタンペレで会合を開催しました。

 ポルヴォー・コミュニオンというのは、欧州のアングリカン・コミュニオンと(北欧などの)ルター派の教会で構成されている、同じ教えを完全に共有しているわけではないものの、ある程度の共通性を認識し、相互に礼拝などを有効として信徒の参加を認めたりしているコミュニオンです(正確ではないかもしれません)。

 

 (英語:ポルヴォー・コミュニオン公式サイト)Meeting of Primates and Presiding Bishops of the Porvoo Communion of Churches – The Porvoo Communion

 

 今回の会合は、 COVID-19 の影響によって遅延していたものが開催されたということになりますが。
 一方、直近でおこっている戦争に関して、キリスト教/東方正教会/ロシア正教会の首座/モスクワ・ロシア全土【ルーシ全土】総主教キリル聖下(キリール総主教キリイル総主教 : His Holiness Kirill, Patriarch of Moscow and all Russia【Rus’】)に戦争を終結するための努力を共におこなうよう要請する書簡が出されています。

※同様の書簡は各方面から出ていますが、ポルヴォー・コミュニオンから出るのは予想していなかったので、記事にしています。

 

 (英語:ポルヴォー・コミュニオン公式サイト)Letter to Kirill – The Porvoo Communion

 

 これには下記14名の方々が名を連ねていますが、

Most Revd Dr Tapio Luoma, Evangelical Lutheran Church of Finland
Most Revd and Right Honourable Stephen Cottrell, Church of England
Rt Right Revd Dr Olav Fykse Tveit, Church of Norway
Rt Revd Rinalds Grants, Evangelical Lutheran Church of Latvia
Most Revd Dr Antje Jackelén, Church of Sweden
Most Revd Dr Michael Jackson, Church of Ireland
Rt Revd Tor Berger Jørgensen, Lutheran Church in Great Britain
Rt Revd Carlos López Lozano, Reformed Episcopal Church of Spain
Rt Revd Jorge Pina Cabral, Lusitanian Church (Portugal)
Rt Revd Agnes M. Sigurðardóttir, Church of Iceland
Rt Revd Peter Skov-Jakobsen, Evangelical Lutheran Church in Denmark
Most Revd Mark Strange, Scottish Episcopal Church
Most Revd Urmas Viilma, Estonian Evangelical Lutheran Church
Most Revd Lauma Zusevics, Evangelical Lutheran Church of Latvia Worldwide

※やや表記を変えますが、

  • フィンランド福音ルター派教会【ELCF】首座監督/トウルク・フィンランド大監督タピオ・ルオマ座下(The Most Reverend Archbishop Tapio Luoma of Turku and Finland)
  • 英国国教会(のナンバー2)/イングランド首座/ヨーク大主教スティーヴン・コットレル座下(The Most Reverend and Right Honourable Stephen Cottrell SCP, Archbishop of York and Primate of England)※ちなみにイングランド首座はカンタベリー大主教です。
  • ノルウェー国教会首座オーラヴ・フィクセ・トゥヴェイト座下(The Most Reverend Olav Fykse Tveit, Primate of the Church of Norway)
  • ラトビア福音ルター派教会リナルズ・グランツ牧師(The Right Reverend PastorRinalds Grants
  • スウェーデン国教会首座/ウプサラ大監督アンチェ・ヤケレン座下(The Most Reverend Antje Jackelén, Archbishop of Uppsala, Primate of Sweden)
  • アイルランド国教会/ダブリン大主教/アイルランド首座マイケル・ジャクソン座下(His Grace Micheal Jackson, Church of Ireland Archbishop of Dublin, Primate of Ireland)
  • グレートブリテン・ルター派教会監督トール・B・ヨルゲンセン座下(The Right Reverend Tor Berger Jørgensen, Bishop of the Lutheran Church in Great Britain)
  • スペイン改革監督教会主教カルロス・ロペス・ロサノ座下(The Right Reverend Carlos López Lozano, Bishop of the Spanish Reformed Episcopal Church)
  • (ポルトガル)ルシタニア教会主教ジョルジ・ピナ・カブラル座下(Jorge Pina Cabral, Bishop of the Lusitanian Church)
  • アイスランド国教会首座/アイスランド監督アグネス・シグルザルドッティル座下(The Right Reverend Agnes M. Sigurðardóttir, Bishop of Iceland)
  • デンマーク国教会/デンマーク首座/コペンハーゲン監督ピーター・スコウ=ヤコブセン座下(The Right Reverend Peter Skov-Jakobsen, Bishop of Copenhagen, Primate of Denmark)
  • スコットランド聖公会首座/マリ・ロス・ケイスネス主教マーク・ストレンジ座下(The Most Reverend Mark Strange, Bishop of Moray, Ross and Caithness, Primus of the Scottish Episcopal Church)
  • エストニア福音ルター派教会(Estonian Evangelical Lutheran Church : EELC : EELK)首座/タリン大監督ウルマス・ヴィールマ座下(The Most Reverend Urmas Viilma, Archbishop of Tallinn, Primate of the Estonian Evangelical Lutheran Church)
  • 全世界ラトビア福音ルター派教会(Latvian Evangelical Lutheran Church Worldwide : LELCW : LELBP)大監督ラウマ・ズシェヴィクス座下(The Most Reverend Archbishop Lauma Zuševics

 いずれも各教会の首座や上位の人物です。

※なお、ラトビア福音ルター派教会はオブザーバです(全世界ラトビア福音ルター派教会は参加教会です)。

 名を連ねている人々を見ると、ウェールズ聖公会からの人物がおりません。ただ、会合参加者に同教会からの参加者がいますので、首座名で名を連ねることができなかっただけかもしれません。
 一方、リトアニア福音ルター派教会は、会合参加者にすら名前がなく、また、このポルヴォー・コミュニオンの公式サイトを検索してみたところ、同教会の名称が最後に出てくるのは2015年です。合意には参加したものの、熱心にかかわっていない、ということなのかはわかりませんが。

 

 余談ですが、 FAQ ページが興味深いのですが、それはそれとして下部二つの設問。

 (英語:ポルヴォー・コミュニオン公式サイト)Frequently Asked Questions – The Porvoo Communion

「私は司祭/牧師だが、他の教会で働くことが出来るか?」という質問に対し、

First you need to see if there is job available.

「まずあなたは求人があるかどうかを確認する必要があります」

 というシンプルな説明から具体的な話が掲載されていて現実的だなあと感心します。
 とはいえ、各国で(日本でも)、特に上位の指導者ではない聖職者・教職者は教派から教派へ移動したりもしますので、ましてコミュニオン状態にあればこのような FAQ の準備も当然でしょうか。

キリスト教/ローマ教皇フランシスコ聖下がアラゴン州首相、サラゴサ大司教と会見。対立教皇ベネディクトゥス13世の名誉回復の請願を受ける(2022年10月)

 2022年10月26日、キリスト教/ローマ教皇フランシスコ聖下(His Holiness Pope Francis)は、スペイン王国アラゴン州首相ハビエル・ランバン閣下(Javier Lambán)、サラゴサ大司教カルロス・マヌエル・エスクリバーノ・スビアス座下(Archbishop Carlos Manuel Escribano Subías, Archbishop of Zaragoza)と会見しました。

 州首相らは、フランシスコ教皇を同地に招待したほか、アラゴン王国とローマ教皇聖座の歴史的つながりの強調、そして対立教皇ベネディクトゥス13世Benedictus XIII : Antipope Benedict XIIIパパ・ルナPapa Luna)の名誉回復を請願したようです。

 最後の請願が具体的に何を示すのかわかりませんが……。
 アラゴンでは来年に、ベネディクトゥス13世帰天600周年の行事などが予定されている模様。

 

 (英語)President of Aragon, Archbishop of Zaragoza ask to rehabilitate the figure of "Papa Luna" | ROME REPORTS

ROME REPORTS in English:
Spanish representatives ask Pope Francis to restore the image of Papa Luna – YouTube

 

 (スペイン語:アラゴン州政府 公式サイト)Lambán invita al Papa a visitar Zaragoza, reivindica los nexos del Reino de Aragón con la autoridad pontificia y solicita la rehabilitación del Papa Luna

GobAragon(アラゴン州政府 公式チャンネル):
El Papa Francisco recibe al Presidente de Aragón y al Arzobispo de Zaragoza – YouTube

 

Gobierno de AragónさんはTwitterを使っています: 「El presidente @JLambanM ha invitado al Papa Francisco a visitar Zaragoza y San Juan de la Peña. Lambán reivindica los nexos del Reino de Aragón con la autoridad pontificia y solicita la rehabilitación del Papa Luna. ℹ https://t.co/Q59oek7umJ @Pontifex_es @vaticannews_es https://t.co/jy5xYBhBXS」 / Twitter

 

Javier LambánさんはTwitterを使っています: 「El Papa Francisco @Pontifex_es nos ha acogido en audiencia esta mañana.Un honor que he compartido con el @Arzobispo_ZGZ.Impresiona la conversación con el Santo Padre,por la autoridad moral que ejerce, por la sencillez y cercanía con que lo hace y por su sabiduría @vaticannews_es https://t.co/LZCUZ7oGnK」 / Twitter

 

Javier LambánさんはTwitterを使っています: 「Además de admirar y aprovechar las sabias reflexiones de Francisco @Pontifex_es, le regalamos la Medida de la #VirgenDelPilar con la #Cuatribarrada que trajo Sancho Ramírez de Roma y le pedimos la rehabilitación del #PapaLuna, uno de los aragoneses más importantes de la historia https://t.co/YX9oda46dV」 / Twitter