コンクラーベ(ローマ教皇選挙)は 2024年5月7日 開始。金融犯罪で有罪判決のベッチュー枢機卿は参加しない意向を表明。ロベラ枢機卿とヌジュエ枢機卿は健康問題で参加せず。投票者は 133名 になる模様

 コンクラーベ(ローマ教皇選挙)は 2024年5月7日 開始と発表されました。

 金融犯罪で有罪判決ながら、自身の投票権は正式には剥奪されていないと主張していたジョヴァンニ・アンジェロ・ベッチュー枢機卿座下(His Eminence Giovanni Angelo Cardinal Becciu)は、投票に参加しないという意向を表明しました。
 これについて、枢機卿代表団からは謝意と真実が明らかになることを期待する旨が述べられています。
※つまり、ベッチュー枢機卿の投票権があるかどうかについては審査されず、本人が不参加を決定したので、これ以上の検討は必要がなくなったということになる、のかどうか?

 また、バレンシア名誉大司教アントニオ・カニサレス・ロベラ枢機卿座下(His Eminence Antonio Cardinal Cañizares Llovera, Archbishop Emeritus of Valencia)とナイロビ名誉大司教ジョン・ヌジュエ枢機卿座下(His Eminence John Cardinal Njue, Archbishop Emeritus of Nairobi)は健康問題で投票に参加せずとのことです。

 よって投票者は 133名 になる模様。
 また、投票権を有する80歳未満の枢機卿が使徒憲章で定められた 120名 を超えている件については、すでにフランシスコ聖下がこれを超える人数を枢機卿に叙した時点で適用がされないとの判断もされています。

 

 コンクラーベ開始、5月7日から – バチカン・ニュース

 第5回枢機卿総会、5月7日コンクラーベ開始を決定 | カトリック中央協議会

 ローマ教皇庁“新教皇を選ぶ選挙「コンクラーベ」5月7日開始” | NHK | イタリア
 「コンクラーベ」来月7日から “誰が次の教皇に予測難しい” | NHK

 (英語:ローマ教皇聖座 公式ウェブサイト)Declaration of the Congregation of Cardinals, 30.04.2025

1) Regarding the Cardinal electors, the Congregation has revealed that His Holiness Francis, by creating a number of Cardinals higher than the 120 stipulated by no. 33 of the Apostolic Constitution Universi Dominici Gregis of Saint John Paul II, of 22 February 1996, in the exercise of his supreme power, has dispensed with this legislative provision, whereby the Cardinals exceeding the set limit have acquired, in accordance with No. 36 of the same Apostolic Constitution, the right to elect the Roman Pontiff, from the moment of their creation and publication;

2) Regarding His Eminence Cardinal Giovanni Angelo Becciu, it was noted that the latter, having the good of the Church at heart, and to contribute to the communion and serenity of the Conclave, has communicated his decision not to take part in it. In this regard, the Congregation of Cardinals expresses its appreciation for the gesture he has made, and hopes that the competent judicial bodies will be able to definitively ascertain the facts.

追記:
 カトリック中央協議会からこの部分の訳が出ています。
 枢機卿団が2つの声明を発表 | カトリック中央協議会

1)投票権を有する枢機卿に関して、枢機卿総会は次のことを明らかにしました。教皇フランシスコは、その最高の権限を行使し、教皇ヨハネ・パウロ二世の1996年2月22日の使徒憲章『使徒座空位と教皇選挙』(Universi Dominici Gregis)第33条に定められた120名を超える新しい枢機卿を任命することにより、この法的規定を免除しました。これに関して、同じ使徒憲章第36条の規定に基づき、限定された人数を超えた枢機卿は、枢機卿に叙任・公表された時からローマ教皇を選出する権利を得ます。

2)ジョヴァンニ・アンジェロ・ベッチウ枢機卿に関して、次のことを認めます。ベッチウ枢機卿は、教会の善益を考慮し、コンクラーベの一致と落ち着きに寄与するために、コンクラーベへの不参加を決断したことを発表しました。このことに関して、枢機卿総会は、ベッチウ枢機卿のとられた振る舞いに敬意を表するとともに、司法権威機関が事実を決定的な形で確認することを望みます。

(英語:バチカンニュース):
 Conclave to elect new Pope to begin on May 7th – Vatican News
 Cardinal Becciu renounces participation in upcoming conclave – Vatican News
 Cardinals recognize right to vote of all Cardinal electors in conclave – Vatican News

 

 (英語)The Date Set for the Conclave: May 7th – Rome Reports

ROME REPORTS in English:
The Date Set for the Conclave: May 7th – YouTube

 

 (英語)Becciu will not attend the conclave: “I will obey the will of the Pope as I always have.” – Rome Reports

ROME REPORTS in English:
Becciu will not attend the conclave: “I will obey the will of the Pope as I always have.” – YouTube

 

 (英語)The two cardinal electors not traveling to Rome to vote for the new pope – Rome Reports

ROME REPORTS in English:
The two cardinal electors not traveling to Rome to vote for the new pope – YouTube

訃報(2025年4月21日):キリスト教/ローマ教皇フランシスコ聖下が帰天(1936~2025)

 2025年4月21日、キリスト教/ローマ教皇フランシスコ聖下(His Holiness Pope Francis)が帰天しました。
 1936年12月17日生まれの88歳。

追記:
 葬儀は4月26日。
 葬儀(2025年4月26日):キリスト教/ローマ教皇フランシスコ聖下の葬儀

 帰天に伴い、新たなローマ教皇選出まで、カメルレンゴが代行可能な職務を代行します。

訂正追記(二回目):
 また、弔意の宛先は、
 ローマ教皇庁国務省長官ピエトロ・パロリン枢機卿座下(His Eminence Pietro Cardinal Parolin
 首席枢機卿のジョヴァンニ・バッティスタ・レ枢機卿座下(His Eminence Giovanni Battista Cardinal Re, Dean of the College of Cardinals)
 またはカメルレンゴとなっているのものが見られます。特定の人物宛てでないものも多数。

 

カメルレンゴのケヴィン・ジョセフ・ファレル枢機卿座下(His Eminence Kevin Joseph Cardinal Farrell, Camerlengo of the Holy Roman Church)からの発表:
Vatican News – English:
Pope Francis has died on Easter Monday aged 88 – YouTube

 

 教皇フランシスコ、帰天される – バチカン・ニュース
 教皇フランシスコの霊的遺言 – バチカン・ニュース
 教皇フランシスコの葬儀、4月26日、バチカンで – バチカン・ニュース
 教皇フランシスコの死因、脳卒中と心不全 – バチカン・ニュース
 枢機卿らによる最初の全体会議 – バチカン・ニュース

 また、カメルレンゴを補佐する3人の枢機卿、パロリン、リルコ、バッジョ各枢機卿が抽選によって決められた。

 カメルレンゴの補佐を務める3枢機卿は、枢機卿会におけるタイトル別に(名義教会におけるタイトル、司教・司祭・助祭の3つのカテゴリー別に)1人ずつ、3日毎に抽選される。

 パロリン枢機卿のほか2人は、
 サンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂首席司祭スタニスワフ・リウコ枢機卿座下(His Eminence Stanisław Cardinal Ryłko, Archpriest of the Basilica di Santa Maria Maggiore)
 ファビオ・バッジョ枢機卿座下(His Eminence Fabio Cardinal Baggio, C.S.)

 教皇フランシスコの棺、聖ペトロ大聖堂へ、行列と共に移送の儀式 – バチカン・ニュース
 25日、教皇の棺閉じる儀式、26日、葬儀後に埋葬の儀 – バチカン・ニュース
 「ノヴェンディアーリ」をめぐり承認、枢機卿らの第2回全体会議 – バチカン・ニュース
教会と世界をめぐり対話、枢機卿団、第3回全体会議で – バチカン・ニュース
 教皇フランシスコの墓、母方曽祖父の地、伊リグーリアの石材で – バチカン・ニュース
 教皇フランシスコの葬儀およびその前後の儀式予定 – バチカン・ニュース
 枢機卿団、27日に聖マリア大聖堂へ、第4回全体会議で – バチカン・ニュース
 葬儀前夜、教皇フランシスコの棺を閉じる儀式 – バチカン・ニュース

 ビデオストーリー:教皇フランシスコ、少年時代から教皇選出まで – バチカン・ニュース
Vatican News – Italiano:
Francesco, il videoracconto dall’infanzia all’elezione papale – YouTube

 ビデオ:教皇フランシスコ、世界の巡礼者として – バチカン・ニュース
Vatican News – Italiano:
Un Papa pellegrino in tante periferie del mondo – YouTube

 バチカン宮殿の教皇公邸の扉に封印 – バチカン・ニュース
Vatican News – Italiano:
Apposizione dei sigilli all'appartamento papale, 21 aprile 2025 – YouTube

 教皇フランシスコ逝去 | カトリック中央協議会
 教皇フランシスコの死の確認と遺体の納棺 | カトリック中央協議会
 教皇フランシスコの遺言 | カトリック中央協議会
 教皇フランシスコの死に関する発表 | カトリック中央協議会
 教皇の遺体のサンピエトロ大聖堂への移動 | カトリック中央協議会
 第1回枢機卿総会の開催 | カトリック中央協議会
 教皇フランシスコの棺のサンピエトロ大聖堂への移動についての通知 | カトリック中央協議会
 ローマ教皇フランシスコの葬儀ミサ | カトリック中央協議会
 教皇フランシスコ追悼ミサのお知らせ | カトリック中央協議会
 ローマ教皇フランシスコを記念する9日間の祈り | カトリック中央協議会
 ローマ教皇フランシスコの棺を閉じる儀式 | カトリック中央協議会
 ローマ教皇フランシスコの棺の埋葬 | カトリック中央協議会
 第1回枢機卿総会の開催(二) | カトリック中央協議会
 第2回枢機卿総会の開催 | カトリック中央協議会
 使徒座空位中ならびに新教皇選出時のミサについて | カトリック中央協議会
 「9日間の祈り」第2日の感謝の祭儀 | カトリック中央協議会
 教皇フランシスコの最後の弔問への貧しい人々の招き | カトリック中央協議会
 第3回枢機卿総会の開催 | カトリック中央協議会
 第4回枢機卿総会の開催 | カトリック中央協議会

 (英語版:ローマ教皇聖座 公式サイト)Declaration of the Director of the Holy See Press Office, Matteo Bruni, 21.04.2025

At 9.47 this morning, His Eminence Cardinal Kevin Joseph Farrell, Camerlengo of the Holy Roman Church, announced with sorrow the death of Pope Francis, with these words:

 (英語版:ローマ教皇聖座 公式サイト)Declaration of the death of His Holiness Francis, 21.04.2025
 (英語版:ローマ教皇聖座 公式サイト)Testament of the Holy Father Francis, 21.04.2025
 (英語版:ローマ教皇聖座 公式サイト)Notice from the Office of Liturgical Celebrations, 22.04.2025
 (英語版:ローマ教皇聖座 公式サイト)Notice from the Office of Liturgical Celebrations – Funeral Mass of the Roman Pontiff Francis, 22.04.2025

 (英語版:バチカンニュース)
 Pope Francis has died on Easter Monday aged 88 – Vatican News
 Pope Francis’ pontificate of peace, for peace – Vatican News
 The Pope of the People: Francis, a shepherd with the smell of the sheep – Vatican News
 Laudato si’: Pope Francis on the environment – Vatican News
 Pope Francis the pilgrim: Taking the Lord’s closeness to every corner of earth – Vatican News
 Pope Francis’ desire to foster unity among Christian Churches – Vatican News
 Pope Francis’ plea for a more fraternal world – Vatican News
 Pope Francis’ friendship with other religions promoted paths of peace – Vatican News
 Pope Francis led the way to building a synodal Church for everyone – Vatican News
 The Pope of Mercy – Vatican News
 Cardinal Farrell to preside at rite of ascertainment of Pope Francis’ death – Vatican News

 

ROME REPORTS in English:
Pope Francis’ pontificate in data: 47 international trips, 4 synods… – YouTube

 

4月27日予定だった、福者カルロ・アクティスの列聖式は、いったん中止となります:
 (英語版:ローマ教皇聖座 公式ウェブサイト)Holy See Communiqué, 21.04.2025

 カルロ・アクティス列聖式の延期 | カトリック中央協議会

 

 有罪判決受けた枢機卿、新教皇選ぶ選挙での投票権を要求 – CNN.co.jp

ローマ教皇庁(バチカン)から金融犯罪で有罪判決を受けたジョバンニ・アンジェロ・ベッチウ枢機卿が、次期教皇を選出する選挙「コンクラーベ」に参加できると主張している。

バチカンの報道局は同氏を「選挙人」に加えていないが、本人は22日に地元である伊サルディーニャ島の新聞の取材に答え、自身を「コンクラーベ」から除外する明確な意向は存在しておらず、書面でも明確な拒絶は要請されていないと説明した。

ベッチウ氏を「コンクラーベ」に参加させるかどうかの判断は、ジョバンニ・バッティスタ・レ首席枢機卿とピエトロ・パロリン枢機卿が下す公算が大きい。

 この件は事前に判断がされていないとすると、カメルレンゴと関連する省などの間で判断を出すのではないかと思います。(少なくとも理屈上はレ枢機卿とパロリン枢機卿で決めるということにはならないかと。自信なし)
 また、教皇選挙の瑕疵と見て、今後のカトリックからの離脱者から新たなローマ教皇空位論が出るかもしれません。

 

他の教派の首座らからの弔意/

続きを読む 訃報(2025年4月21日):キリスト教/ローマ教皇フランシスコ聖下が帰天(1936~2025)

マルタ騎士団の副長(総長代行)にマルコ・ルッツァーゴ閣下が選出される(2020年11月)

※この記事は世界の王室ニュースと重複します。

 

 2020年11月7日~11月8日にかけて、マルタ騎士団は、「終身の総長」または「任期一年の副長(総長代行)」を選出する会合をマルタ騎士団本部邸にて開きました。
 これは今年【2020年】の第80代総長の薨去に伴い、おこなわれたものです。
関連:
 訃報(2020年4月29日):第80代マルタ騎士団総長ジャコモ・ダッラ・トッレ・デル・テンピオ・ディ・サングイネット殿下が薨去(1944~2020)

 会合の結果、“フラー”・マルコ・ルッツァーゴ閣下(Fra’ Marco Luzzago)が副長として選出され、今後一年間マルタ騎士団を率います。

 今回の選出は新型コロナウイルス感染症【COVID-19】のパンデミックの中、感染症対策を考慮しておこなわれ、参加者はイタリアの他、アルゼンチン、ペルー、アメリカ合衆国、レバノン、フランス、スウェーデン、オーストリア、ドイツ、オランダ、スペイン、ポーランド、ハンガリー、チェコ、スイス、マルタから集まったということです(出入国できたことに驚きですが……)。

 マルコ・ルッツァーゴ閣下は、ローマ教皇フランシスコ聖下よりマルタ騎士団の監視役として特別代理に叙任されている国際連合ジュネーブ事務局駐箚 ローマ教皇聖座 名誉代表シルヴァーノ・マリア・トマージ大司教座下(アケルム名義大司教 : Archbishop Silvano Maria Tomasi, C.S., Permanent Observer Emeritus to United Nations Office and Specialized Agencies in Geneva, Titular Archbishop of Acelum)の前で就任宣誓をおこないました。
 同大司教は枢機卿叙任が決定しており、また、先代の特別代理であったベーチュ枢機卿座下の“スキャンダル”の結果の特別代理への起用です。
関連:
 キリスト教/ローマ教皇フランシスコ聖下が、新たに枢機卿に昇叙される13人を発表(2020年10月)
 国際刑事警察機構【ICPO】が、“辞任”したベーチュ枢機卿座下に6000万円以上の金を送らせた女を逮捕(2020年10月)2000万円以上がシャネルなどに使われたとのこと

 終身の総長ではなく任期一年の副長が選出されましたが、これがまだ騎士団内部の関係修復の途上なのか、人物の様子見を含めてまずは副長ということなのか、あるいはマルタ騎士団の憲法が変わる最終段階のためにトップの任期が短いことが望まれたのか、判断が難しいところです。
 主権実体のマルタ騎士団の元首として、外交関係が樹立されている各国で副長は国家元首と同様に待遇されますが、 COVID-19 の影響もあり、各国訪問は制限されることになるでしょう。

 

 (英語:マルタ騎士団 公式サイト)Fra’ Marco Luzzago elected Lieutenant of Grand Master of Sovereign Order of Malta – Order of Malta
 (英語:バチカン・ニュース)Order of Malta elects Lieutenant of the Grand Master – Vatican News

 

Order of Malta | Official Channel(マルタ騎士団 公式チャンネル):
Order of Malta, Fra' Marco Luzzago elected Lieutenant of the Gran Master – YouTube

 

Order of Malta | Official Channel(マルタ騎士団 公式チャンネル):
Ordine di Malta, Fra' Marco Luzzago eletto Luogotenente di Gran Maestro – YouTube

 

Order of Malta | Official Channel(マルタ騎士団 公式チャンネル):
Fra’ Marco Luzzago elected Lieutenant of Grand Master of Sovereign Order of Malta – YouTube

 

 (英語)Order of Malta elects Lieutenant and postpones election for Grand Master | ROME REPORTS

ROME REPORTS in English:
Order of Malta elects Lieutenant and postpones election for Grand Master – YouTube

 

Order of MaltaさんはTwitterを使っています 「Fra’ Marco Luzzago is the new Lieutenant of the Grand Master of the Sovereign #OrderofMalta. He is Italian, aged 70, Professed of solemn vows since 2003 https://t.co/xfBr2K3GiC」 / Twitter

 

Order of MaltaさんはTwitterを使っています 「The new Lieutenant of the Grand Master of the Sovereign #OrderofMalta, Fra’ Marco Luzzago has been sworn in. The Pope’s Special Delegate, Cardinal-elect Silvano Tomasi, and the Council Complete of State were present. He is will remain in office for a year. https://t.co/FTydtYC75Q」 / Twitter

 

Order of Malta – Fra’ Marco Luzzago is the new Lieutenant… | Facebook

 

Order of Malta – The new Lieutenant of the Grand Master of… | Facebook

 

Order of Malta(@orderofmalta_official) • Instagram写真と動画

 

Order of Malta(@orderofmalta_official) • Instagram写真と動画

 

キリスト教/ローマ教皇フランシスコ聖下が、マルチェッロ・セメラーロ司教座下をローマ教皇庁列聖省長官に、フリドリン・アンボンゴ・ベスング枢機卿座下を7人目のローマ教皇顧問枢機卿評議会議員に任命(2020年10月)

 キリスト教/ローマ教皇フランシスコ聖下(His Holiness Pope Francis)は、ベーチュ枢機卿座下の突然の辞任に伴い空席となっていたローマ教皇庁列聖省長官に、アルバーノ司教を務めていたマルチェッロ・セメラーロ司教座下(Bishop Marcello Semeraro, Bishop of Albano)を叙任しました。歴代の列聖省長官で枢機卿になっていない人物はいない(たぶん)ため、同座下もいずれ枢機卿に昇叙されるものと思われます。
続報:
 キリスト教/ローマ教皇フランシスコ聖下が、新たに枢機卿に昇叙される13人を発表(2020年10月)

 またフランシスコ聖下は、キンシャサ大司教フリドリン・アンボンゴ・ベスング枢機卿座下(His Eminence Fridolin Cardinal Ambongo Besungu, O.F.M. Cap., Archbishop of Kinshasa)を、七人目のローマ教皇顧問枢機卿評議会議員(Member of the Council of Cardinal Advisers)に任命しました。
 この評議会は、単に枢機卿評議会(Council of Cardinals)とも呼ばれ、ローマ教皇の顧問団ともいうべき存在です。
 最大人数 9 人で構成され C9 と単純に呼ばれますが、近年は人数が六人となっていたため C6 と書かれていました。これで C7 となるでしょう。
 フランシスコ聖下は少し前に C6 とオンライン会合をおこなっています。(上記の列聖省長官に叙任された)セメラーロ司教座下がこれまで評議会の秘書を務めていましたが、新たにこれまで補佐職を務めていたマルコ・メリノ司教座下(クレジマ名義司教 : Bishop Marco Mellino, Titular Bishop of Cresima)が秘書となるようです。

 

 教皇庁人事:列聖省長官にセメラーロ司教 – バチカン・ニュース

セメラーロ司教は、アルバーノ教区の教区長、および、普遍の教会の統治における、また使徒憲章『パストール・ ボヌス』改正プロジェクト研究のための、教皇補佐を目的とする枢機卿理事会の事務局長を務めている。

 (英語:バチカン・ニュース)Bishop Semeraro appointed Prefect of the Congregation for the Causes of Saints – Vatican News
 (英語:バチカン・ニュース)DRC’s Cardinal Besungu appointed to Council of Cardinals – Vatican News

 

 (英語)Pope entrusts Marcello Semeraro and Fridolin Ambongo with strategic tasks | ROME REPORTS

ROME REPORTS in English:
Pope entrusts Marcello Semeraro and Fridolin Ambongo with strategic tasks – YouTube

 

国際刑事警察機構【ICPO】が、“辞任”したベーチュ枢機卿座下に6000万円以上の金を送らせた女を逮捕(2020年10月)2000万円以上がシャネルなどに使われたとのこと

 まだなにやらすっきりしない話ですが、いずれ日本語のニュースも出ると思いますので、それを参照してください。

 2020年10月13日、国際刑事警察機構(ICPO : Interpol)は、チェチーリア・マローニャ容疑者(Cecilia Marogna)をイタリアのミランで逮捕しました。バチカンに送還される予定。

 9月24日に辞任した、ローマ教皇庁列聖省長官ジョヴァンニ・アンジェロ・ベーチュ枢機卿座下(His Eminence Giovanni Angelo Cardinal Becciuによって、6000万円以上($580,000)の金をペーパーカンパニーに送らせた容疑で、三分の一以上のお金はシャネル、プラダ、ヴァレンティノなどに使われてしまっているようです。

 ベーチュ枢機卿は国務省でも役職があり、容疑者をアフリカやアジアにおける支援活動の専門家と思い込んで雇ってお金を振り込んでしまった、みたいな話に受け取れますが……。

 同枢機卿の辞任に関しては、なにがなにやら状態で、全容ははっきりしていません。
 今回の疑惑に関しても、国務省の役職から外れた後に送金がおこなわれていることになり(その前にもまだまだあるのかもしれませんが)、さらなる情報待ちというところでしょうか。

 

 (英語)Woman who received $580,000 from Cardinal Becciu's office arrested | ROME REPORTS

ROME REPORTS in English:
Woman who received $580,000 from Cardinal Becciu's office arrested – YouTube