キリスト教/コプト正教会首座/アレクサンドリア教皇タワドロス2世聖下が、レバノン人女性歌手のマージダ・エル・ルーミーと会見(2022年11月)

 2022年11月5日、キリスト教/オリエント正教会/コプト正教会の首座/アレクサンドリア教皇タワドロス2世聖下(His Holiness Pope Tawadros II of Alexandria)は、レバノン出身の女性歌手マージダ・エル・ルーミーMajida El Roumi)の訪問を受けました。

 宗教とアート、エジプトとレバノンの関係などについて会談がなされたようです。

 

 (英語)Majida El Roumi Meets Pope Tawadros II | Sada Elbalad

 

 ちなみに、

The meeting was attended by Pope Botrus Danial, the head of the Catholic Center Cinema Festival.

 「Pope Botrus Danial」と書かれている人物が同席したようです。(一瞬、なんだなんだと思いましたが)フランシスコ会のブートロス・ダニアル司祭(Father Boutros Danial)のようです。

インタビュー記事(イタリア語):キリスト教/カトリック教会/リヴィウ大司教ミェチスワフ・クシツキ座下「ロシアの言語と教会を禁止するのは間違い」(2022年11月)

 (イタリア語)L’arcivescovo di Leopoli: un errore proibire la lingua e la Chiesa russa

𝐀𝐯𝐯𝐞𝐧𝐢𝐫𝐞さんはTwitterを使っています: 「Ucraina. L’arcivescovo di Leopoli: un errore proibire la lingua e la Chiesa russa https://t.co/TUS2Wfqgid (dal nostro inviato @GiacomoGamb」 / Twitter

 

 イタリアの新聞「Avvenire」(発行部数:11万弱らしいです)による、キリスト教/ローマ・カトリック教会/リヴィウ大司教ミェチスワフ・クシツキ座下(Archbishop Mieczysław Mokrzycki, Archbishop of Lviv)へのインタビュー記事です。
 同大司教はラテン典礼の大司教で、ポーランド出身です。

・今日のウクライナでは「ロシア人」はすべて敵だとみなされていることについて「理解できる反応」とし、あらためて戦争に抗議。
・だが、リヴィウに到着する避難民のほとんどはロシア語を話し、親族や友人が最前線で戦っている場合もある。国のレベルでロシア語を禁止するのには危険。
・四つの公用語があるスイスをモデルに出来る。
・モスクワ総主教庁系のウクライナ正教会(UOC、注:今年やむなく「独立」を宣言)は依然として「人々の教会」である
・ UOC の活動が禁止されている地域もあるが、ローマ教皇大使と同じくこのように教会活動を制限することに反対。
・「ウクライナの人々は交渉を望んでいるか?」という問いには、「妥協」の準備はできていないだろうと回答。

 なお、プーチン大統領とキリル総主教への批判の部分もあり、全体として、バランスの取れた見方であると思います。

 

 と、ここで終われば「へー」という話という範囲なのですが、なんとわざわざウクライナ東方典礼カトリック教会の司祭がすぐさまこれを取り上げてウクライナ語で批判。
 内容には納得できるものもありますが、少々唖然。

 Юрій Бойко – ХОЖДЕНІЄ ПО ВІСТРІ МЕЧА (спецоперація… | Facebook

キリスト教/ローマ教皇フランシスコ聖下がバーレーンを訪問、バーレーン王ハマド陛下と会見(2022年11月)

 2022年11月3日~11月6日の日程で、キリスト教/ローマ教皇フランシスコ聖下(His Holiness Pope Francis)は、バーレーン王国を訪問しています。
 バーレーン王ハマド・ビン・イーサ・アル・ハリーファ陛下(His Majesty Hamad bin Isa Al Khalifa, King of Bahrain)やバーレーン皇太子・首相サルマン・ビン・ハマド・ビン・イーサ・アル・ハリーファ王子殿下(サルマーン皇太子 : His Royal Highness Prince Salman bin Hamad bin Isa Al Khalifa, Crown Prince and Prime Minister of Bahrain)の出迎えを受けました。

 

 教皇のバーレーン王国訪問(11月3日~6日)詳細日程 – バチカン・ニュース
 教皇、バーレーン訪問に出発 – バチカン・ニュース
 教皇、バーレーンのアワリに到着 – バチカン・ニュース
 バーレーン:教皇「人類の砂漠に兄弟愛の水をもたらそう」 – バチカン・ニュース

 (英語)HM the King leads welcome of Pope Francis to Bahrain

Bahrain News AgencyさんはTwitterを使っています: 「HM King receives His Holiness Pope Francis at Sakhir Palace https://t.co/rzULfLGy8J」 / Twitter

 

※ひざの痛みが続いているため、同行記者たち一人ずつへの挨拶ができず、全体への挨拶のみとのこと。
 (英語)Pope Francis shares knee pain with journalists on plane to Bahrain | ROME REPORTS

ROME REPORTS in English:
Pope Francis shares knee pain with journalists on plane to Bahrain – YouTube

 

Vatican News(バチカンニュース):
Highlights- first day apostolic journey in Bahrain , 03 November 2022 -Pope Francis – YouTube

 

Vatican News(バチカンニュース):
Awali, Official Welcome, 3 November 2022, Pope Francis – YouTube

 

Vatican News(バチカンニュース):
Highlights – Official Welcome, 3 November 2022, Pope Francis – YouTube

 

Vatican News(バチカンニュース):
Awali, Visita a Sua Maestà il Re del Bahrein, 03 novembre 2022, Papa Francesco – YouTube

 

Vatican News(バチカンニュース):
Awali, Welcome Ceremony and Meeting with the Authorities, 3 November 2022, Pope Francis – YouTube

キリスト教/アルメニア使徒教会コンスタンティノープル総主教サハク2世マシャリャン座下が、カトリコスのガレギン2世聖下と会談(2022年10月)

 2022年10月28日、キリスト教/オリエント正教会/アルメニア使徒教会コンスタンティノープル総主教サハク2世マシャリャン大主教座下(His Beatitude Archbishop Sahak II Mashalian, Armenian Patriarch of Constantinople)は、同教会の聖エチミアジン母座を訪問しました。
 会合への出席予定とのことです。

 アルメニア使徒教会/全アルメニア人のカトリコス・最高総主教ガレギン2世聖下(His Holiness Karekin IIGaregin II】, Supreme Patriarch and Catholicos of All Armenians)との会談がおこなわれました。

 

※アルメニア使徒教会は、アルメニア本国のエチミアジンの系統と、キリキアの系統にわかれており、キリキアを自治教会とみなしている例もありますが、これらはそれぞれ独立教会とみなすほうが正しいように思えます。つまり、アルメニア使徒教会は、独立教会が二つ、自治教会が二つ(コンスタンティノープルとエルサレム)です。また、この二つの自治教会は、エチミアジンの系統です。
 ガレギン2世聖下はエチミアジンのトップで、コンスタンティノープル総主教サハク座下はその下で自治的な権限を持っている、ということになるでしょう。
 また、アルメニア使徒教会の総主教は、個人の称号としては大主教にとどまります。

 

Mother See of Holy Etchmiadzin(聖エチミアジン母座 公式チャンネル):
Մայր Աթոռ է ժամանել Կ․ Պոլսի հայոց պատրիարքը – YouTube

 

 (英語)Armenian Patriarch of Constantinople visits the Mother See, meets with Catholicos Karekin II – Public Radio of Armenia
 (英語)Armenian Patriarch of Constantinople In Etchmiadzin

 

Պոլսի Հայոց Պատրիարքը ժամանել է… – Հայաստանի Հանրային Ռադիո | Facebook

 

Հետք/HetqさんはTwitterを使っています: 「Կ․ Պոլսի Հայոց Պատրիարքը ժամանեց Մայր Աթոռ Սուրբ Էջմիածին https://t.co/bW52gKmOCo https://t.co/KTKBv0uZcC」 / Twitter

 

Հետք – Armenian Patriarch of Constantinople Archbishop… | Facebook

 

キリスト教/ポルヴォー・コミュニオンを構成する教会の指導者らが、ロシア正教会モスクワ総主教キリル聖下に戦争を終結させるよう努力を要請する書簡(2022年10月)

 キリスト教のポルヴォー・コミュニオン(The Porvoo Communion)は、2022年10月11日から10月13日まで、フィンランド共和国のタンペレで会合を開催しました。

 ポルヴォー・コミュニオンというのは、欧州のアングリカン・コミュニオンと(北欧などの)ルター派の教会で構成されている、同じ教えを完全に共有しているわけではないものの、ある程度の共通性を認識し、相互に礼拝などを有効として信徒の参加を認めたりしているコミュニオンです(正確ではないかもしれません)。

 

 (英語:ポルヴォー・コミュニオン公式サイト)Meeting of Primates and Presiding Bishops of the Porvoo Communion of Churches – The Porvoo Communion

 

 今回の会合は、 COVID-19 の影響によって遅延していたものが開催されたということになりますが。
 一方、直近でおこっている戦争に関して、キリスト教/東方正教会/ロシア正教会の首座/モスクワ・ロシア全土【ルーシ全土】総主教キリル聖下(キリール総主教キリイル総主教 : His Holiness Kirill, Patriarch of Moscow and all Russia【Rus’】)に戦争を終結するための努力を共におこなうよう要請する書簡が出されています。

※同様の書簡は各方面から出ていますが、ポルヴォー・コミュニオンから出るのは予想していなかったので、記事にしています。

 

 (英語:ポルヴォー・コミュニオン公式サイト)Letter to Kirill – The Porvoo Communion

 

 これには下記14名の方々が名を連ねていますが、

Most Revd Dr Tapio Luoma, Evangelical Lutheran Church of Finland
Most Revd and Right Honourable Stephen Cottrell, Church of England
Rt Right Revd Dr Olav Fykse Tveit, Church of Norway
Rt Revd Rinalds Grants, Evangelical Lutheran Church of Latvia
Most Revd Dr Antje Jackelén, Church of Sweden
Most Revd Dr Michael Jackson, Church of Ireland
Rt Revd Tor Berger Jørgensen, Lutheran Church in Great Britain
Rt Revd Carlos López Lozano, Reformed Episcopal Church of Spain
Rt Revd Jorge Pina Cabral, Lusitanian Church (Portugal)
Rt Revd Agnes M. Sigurðardóttir, Church of Iceland
Rt Revd Peter Skov-Jakobsen, Evangelical Lutheran Church in Denmark
Most Revd Mark Strange, Scottish Episcopal Church
Most Revd Urmas Viilma, Estonian Evangelical Lutheran Church
Most Revd Lauma Zusevics, Evangelical Lutheran Church of Latvia Worldwide

※やや表記を変えますが、

  • フィンランド福音ルター派教会【ELCF】首座監督/トウルク・フィンランド大監督タピオ・ルオマ座下(The Most Reverend Archbishop Tapio Luoma of Turku and Finland)
  • 英国国教会(のナンバー2)/イングランド首座/ヨーク大主教スティーヴン・コットレル座下(The Most Reverend and Right Honourable Stephen Cottrell SCP, Archbishop of York and Primate of England)※ちなみにイングランド首座はカンタベリー大主教です。
  • ノルウェー国教会首座オーラヴ・フィクセ・トゥヴェイト座下(The Most Reverend Olav Fykse Tveit, Primate of the Church of Norway)
  • ラトビア福音ルター派教会リナルズ・グランツ牧師(The Right Reverend PastorRinalds Grants
  • スウェーデン国教会首座/ウプサラ大監督アンチェ・ヤケレン座下(The Most Reverend Antje Jackelén, Archbishop of Uppsala, Primate of Sweden)
  • アイルランド国教会/ダブリン大主教/アイルランド首座マイケル・ジャクソン座下(His Grace Micheal Jackson, Church of Ireland Archbishop of Dublin, Primate of Ireland)
  • グレートブリテン・ルター派教会監督トール・B・ヨルゲンセン座下(The Right Reverend Tor Berger Jørgensen, Bishop of the Lutheran Church in Great Britain)
  • スペイン改革監督教会主教カルロス・ロペス・ロサノ座下(The Right Reverend Carlos López Lozano, Bishop of the Spanish Reformed Episcopal Church)
  • (ポルトガル)ルシタニア教会主教ジョルジ・ピナ・カブラル座下(Jorge Pina Cabral, Bishop of the Lusitanian Church)
  • アイスランド国教会首座/アイスランド監督アグネス・シグルザルドッティル座下(The Right Reverend Agnes M. Sigurðardóttir, Bishop of Iceland)
  • デンマーク国教会/デンマーク首座/コペンハーゲン監督ピーター・スコウ=ヤコブセン座下(The Right Reverend Peter Skov-Jakobsen, Bishop of Copenhagen, Primate of Denmark)
  • スコットランド聖公会首座/マリ・ロス・ケイスネス主教マーク・ストレンジ座下(The Most Reverend Mark Strange, Bishop of Moray, Ross and Caithness, Primus of the Scottish Episcopal Church)
  • エストニア福音ルター派教会(Estonian Evangelical Lutheran Church : EELC : EELK)首座/タリン大監督ウルマス・ヴィールマ座下(The Most Reverend Urmas Viilma, Archbishop of Tallinn, Primate of the Estonian Evangelical Lutheran Church)
  • 全世界ラトビア福音ルター派教会(Latvian Evangelical Lutheran Church Worldwide : LELCW : LELBP)大監督ラウマ・ズシェヴィクス座下(The Most Reverend Archbishop Lauma Zuševics

 いずれも各教会の首座や上位の人物です。

※なお、ラトビア福音ルター派教会はオブザーバです(全世界ラトビア福音ルター派教会は参加教会です)。

 名を連ねている人々を見ると、ウェールズ聖公会からの人物がおりません。ただ、会合参加者に同教会からの参加者がいますので、首座名で名を連ねることができなかっただけかもしれません。
 一方、リトアニア福音ルター派教会は、会合参加者にすら名前がなく、また、このポルヴォー・コミュニオンの公式サイトを検索してみたところ、同教会の名称が最後に出てくるのは2015年です。合意には参加したものの、熱心にかかわっていない、ということなのかはわかりませんが。

 

 余談ですが、 FAQ ページが興味深いのですが、それはそれとして下部二つの設問。

 (英語:ポルヴォー・コミュニオン公式サイト)Frequently Asked Questions – The Porvoo Communion

「私は司祭/牧師だが、他の教会で働くことが出来るか?」という質問に対し、

First you need to see if there is job available.

「まずあなたは求人があるかどうかを確認する必要があります」

 というシンプルな説明から具体的な話が掲載されていて現実的だなあと感心します。
 とはいえ、各国で(日本でも)、特に上位の指導者ではない聖職者・教職者は教派から教派へ移動したりもしますので、ましてコミュニオン状態にあればこのような FAQ の準備も当然でしょうか。