キリスト教/アルメニア使徒教会のコンスタンティノープル総主教選出にトルコ当局が条件。「トルコ出身かつトルコで活動している聖職者(?)でないとダメ」(2019年9月)

※2019年10月26日16時過ぎに全体に修正を加えています。

 

 予想されていたことではありますが、キリスト教/オリエント正教会/アルメニア使徒教会の新たなコンスタンティノープル総主教に選出に、トルコ共和国当局(内務省)が条件を付け加えてきました。
 1863年の規定によると、トルコ生まれのアルメニア人聖職者であればどこの国で活動していても候補者となれたものが、今回の決定で、トルコ以外で活動していると立候補できない(つまりアルメニア使徒教会コンスタンティノープル総主教庁内の所属であることが必要)とされた、ということになります。

 高位聖職者でこの条件を満たすのは二名(三名?)のみということです。
 二名となると、アルメニア使徒教会コンスタンティノープル総主教代行のサハク・マシャリャン主教座下(Bishop Sahak Mashalian)と前総主教代理(または代行)のアラム・アテシャン大主教座下(His Eminence Archbishop Aram Ateşyan)ですが、三名となるとあと一人いる、ということになります。

 またモメそうではありますが、必ずしもトルコ共和国当局の意見が通るわけでもないので、情勢を見守っていきます。

※なお(これからずっと追記すると思いますが)公式サイトや報道などで「トルコ総主教(庁)」として言及されていることが多くなってきていますが(イスタンブール総主教(庁)も)、とりあえず伝統を考慮して「コンスタンティノープル総主教(庁)」という表記を文中ではメインにしていきます。

 

 (トルコ語:アルメニア・トルコ総主教庁公式サイト)DUYURU | Türkiye Ermenileri Patrikliği |

 

 (英語)Turkey meddles in Armenian Patriarch election, changes conditions – PanARMENIAN.Net
 (英語)New Obligations for Patriarch Candidates 'Attempt to Usurp Right to be Elected' – Pınar Tarcan – english
 (英語)Turkey interior ministry sends regulations for election of new Armenian Patriarch of Constantinople