キリスト教/コンスタンティノープルの全地総主教庁がウクライナへの独立正教会設置のために総主教代理を任命したことについて、ロシア正教会聖シノドは「(バルソロメオス総主教は)事実上は一度も持ったことのない指揮権があると勝手な解釈をしている」「このような『反・教会法的行為』の全責任は彼個人とその支持者たちにある」と宣言(2018年9月)

2018年~ ウクライナへの独立正教会設置を巡るコンスタンティノープルの全地総主教庁とロシア正教会モスクワ総主教庁の対立関連の記事一覧

 

 キリスト教/コンスタンティノープルの全地総主教庁が、ウクライナの独立正教会設置に向けてキエフにおける総主教代理を二名任命。ロシア正教会系のウクライナ正教会は激しく反発(2018年9月)という状況でしたが、2018年9月8日、ロシア正教会の聖シノドは緊急ともいえる早さでメッセージを出しています。

※聖シノドが全員出席したのかどうかわかりませんが、自治的権限を持つウクライナ、モルドバ、それより弱い権限を持つベラルーシ、そして中央アジアの府主教らをメンバーに含みます(あとで下のほうに追記しておきます)。

 

 (ロシア語:ロシア正教会モスクワ総主教庁公式サイト)Заявление Священного Синода Русской Православной Церкви от 8 сентября 2018 года / Официальные документы / Патриархия.ru
 (英語:ロシア正教会モスクワ総主教庁渉外局公式サイト)Russian Orthodox Church Holy Synod Statement as of September 8, 2018 | The Russian Orthodox Church

 

 すでに今までに出ている内容なのですが、簡単に並べていくと、

  • 他の教会の管轄権への侵害は教会法違反
  • キエフ府主教オヌフリー座下をウクライナの第一の聖職者(全地総主教庁側とロシア正教会側で言葉が違いますが)と認めていたのはなんだったのか
  • 事実上は一度も持ったことのない指揮権があると勝手な解釈をしている
  • コンスタンティープルとロシアの関係の“行きどまり”は東方正教会全体の結束に大いなる脅威となる
  • ロシア正教会聖シノドは、このような『反・教会法的行為』の全責任はバルソロメオス総主教個人と、コンスタンティノープルの教会内のその支持者たちにある

 なお、モスクワ総主教庁のメッセージもこれとは別に準備されているようです。

 

 率直にいって、予想通りの展開ですが……。

 モスクワ総主教庁渉外局長ヴォロコラムスク府主教イラリオン座下が両・総主教会談後のインタビューで「教会としての正式決定はそれぞれの聖シノドで決めること」などと答えていることを考えると、こうなることはすでに会談時にお互い了承済みだったのではないかとすら思えます(キリル総主教聖下は会談後笑顔でインタビューに答えていましたけど)。

 

 なお、ロシア正教会聖シノドのメンバーは、

  • ロシア正教会の首座/モスクワ・全ロシア【ルーシ】総主教キリル聖下(キリール総主教 : His Holiness Kirill, Patriarch of Moscow and all Russia【Rus’】)

 のほか、

  • ウクライナ正教会の首座/キエフ・全ウクライナ府主教オヌフリー座下(His Beatitude Metropolitan Onufriy of Kiev and All Ukraine)
  • クルチツィ・コロムナ府主教ユヴェナリー座下(His Eminence Metropolitan Juvenaly of Krutitsy and Kolomna)
  • モルドバ正教会の首座/キシナウ・全モルドバ府主教ヴラジミール座下(His Eminence Metropolitan Vladimir of Chişinău and All Moldova)
  • アスタナ・カザフスタン府主教アレクサンドル座下(His Eminence Metropolitan Alexander of Astana and Kazakhstan)
  • タシケント・ウズベキスタン府主教ヴィケンティー座下(His Eminence Metropolitan Vikentiy of Tashkent and Uzbekistan)
  • サンクトペテルブルク・ラドガ府主教ヴァルソノフィー座下(His Eminence Metropolitan Varsonofy of St. Petersburg and Ladoga)
  • ベラルーシにおける総主教代理【ベラルーシ正教会首座】/ミンスク・ザスラーヴリ府主教パーヴェル座下(His Eminence Metropolitan PaulPavel】of Minsk and Zaslavl, The Patriarchal Exarch of All Belarus)
  • モスクワ総主教庁渉外局長ヴォロコラムスク府主教イラリオン座下(ヒラリオン府主教 : His Eminence Metropolitan Hilarion of Volokolamsk, chairman of the Moscow Patriarchate’s Department for External Church Relations (DECR))

※さらに五名、半年ごとに交代するメンバーが新しく九月から入ることになっていますが……。

 

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