キリスト教/ローマ・カトリック教会/聖ペトロ座属人裁治区に初の司教が叙任される(2015年11月)

 キリスト教/ローマ・カトリック教会/聖ペトロ座の属人裁治区(Personal Ordinariate of the Chair of Saint Peter)の公式サイトによりますと、同属人裁治区の裁治権者に初の司教が叙任されたそうです。
 スティーヴン・J・ロペス司教座下(Rev. Msgr. Steven J. Lopes)が同属人裁治区を管理することになるようです。

 属人裁治区は、アングリカン・コミュニオンの教会から離脱しカトリックの傘下に入った人々のために作られたものであり、現時点で三つ存在する属人裁治区は、いずれも司教ではない裁治権者が管理しています。
 北米を管轄する聖ペトロ座の属人裁治区は2012年設立。
 初代裁治権者ジェフリー・N・スティーンソン師は、公式サイト肩書きがすでに名誉裁治権者(Monsignor Jeffrey N. Steenson, Ordinary Emeritus)となっています。

 

記事:
 (英語:聖ペトロ座の属人裁治区公式サイト)WELCOME, BISHOP-ELECT LOPES! | Personal Ordinariate of the Chair of St. Peter
 (英語:聖ペトロ座の属人裁治区公式サイト)Statement on the appointment of Bishop-elect Lopes | Personal Ordinariate of the Chair of St. Peter

ローマ・カトリック教会ウォルシンガムの聖母属人裁治区のキース・ニュートン座下が「属人裁治区は期待されていたほど受け入れられていない」(2014年4月)

 属人裁治区(Personal Ordinariate : オルディナリアートゥス・ペルソナーリス : Ordinariatus Personalis)とは、2011年にローマ教皇ベネディクト16世の下に成立した、最近の英国国教会(聖公会)の変化に反対し、離脱してローマ・カトリック教会傘下に入りながらも、自分たちの伝統を維持することを選んだ人々のための制度です。特殊な教区のようなものとして認識されていることが多いようです。

※「オプス・デイ」の「属人区」とは関係ありません。

 現在、三つの属人裁治区が成立していますが、その一つでイングランドとウェールズを統轄する「ウォルシンガムの聖母属人裁治区」(Personal Ordinariate of Our Lady of Walsingham)の裁治権者キース・ニュートン座下(The Right Reverend Monsignor Keith Newton)が、「属人裁治区は期待されていたほど受け入れられていない」と認めています。

 

記事:
 (英語)Leader of Anglican ordinariate admits interest has waned : News Headlines – Catholic Culture
 (英語)Ordinariate leader says growth is too slow

キリスト教/ローマ教皇ベネディクト16世聖下が、オーストラリアに新たな属人裁治区「南十字星の聖母の属人裁治区」を設置。ハリー・エントウィッスル師を初代裁治権者に叙任(2012年6月)

 キリスト教/ローマ・カトリック教会/ローマ教皇ベネディクト16世聖下(His Holiness Pope Benedict XVI)は、オーストラリア連邦に新たな属人裁治区である「南十字星の聖母の属人裁治区」を設置、ハリー・エントウィッスル師(The Reverend Monsignor Harry Entwistle)を初代裁治権者に叙任したようです。

 

記事:
 教皇、豪州で「オルディナリアーティ」創設へ |国際|超教派(エキュメニカル)キリスト教報道メディア会社のクリスチャントゥデイニュースサイト
 オルディナリアーテ、3番目はオーストラリアに |国際|超教派キリスト教報道メディア会社のクリスチャントゥデイニュースサイト
 (英語)Pope establishes Australian ordinariate for former Anglicans :: Catholic News Agency (CNA)

 

キリスト教/属人裁治区に関する動画:ROME REPORTS「What is an Anglican Ordinariate?」(2011年1月)

 ROME REPORTSに、属人裁治区に関する動画がありました。

 

↓動画再生前静止状態で映っている人物について(たぶん、です)。
左から三人目の司教冠(?)を着けている人物がローマ・カトリック教会のアラン・ホープス司教座下(Alan Hopes)。今回の件で英国での状況に関して一連の動きを担当したようです。
左から一人目・五人目・七人目(切れて見えませんが)が、英国国教会からローマ・カトリック教会に「移籍」した、キース・ニュートン師(Keith Newton : 元リッチボロー主教)、ジョン・ブロードハースト師(John Broadhurst : 元フラム主教)、アンドルー・バーナム師(Andrew Burnham : 元エブスフリート主教)。

ROME REPORTS in English :
What is an Anglican Ordinariate? – YouTube

 

 英国国教会での女性主教誕生が確実になったことを受け離脱の姿勢を見せている聖職者とその信徒たちを受け入れるため、ローマ・カトリック教会が整備した Anglicanorum Coetibus(アングリカノルム・チェティブス)。
 それにより属人裁治区が設置されました(英国では<ウォルシンガムの聖母の属人裁治区>)。
 これにより英国国教会の典礼を残す形での受け入れが可能となりましたが、(元・英国国教会の)妻帯した聖職者が、独身前提のローマ・カトリック教会の聖職者と同等として受け入れられること、その特殊な司祭が裁治権を与えられることなどによる混乱も多いようです。

 

記事:
 聖公会元主教3人、カトリック教会司祭に正式に叙階 – クリスチャントゥデイ
 英国国教会、司祭7人と信徒300人弱がカトリックへ – クリスチャントゥデイ