キリスト教/コンスタンティノープル系ウクライナ正教会【OCU】の“ミハイル府主教”が総主教の外套を着用(2021年6月)

 キリスト教/コンスタンティノープル系ウクライナ正教会【OCU】の“ミハイル府主教”(ルーツク・ヴォリン府主教ミハイル座下 : His Eminence Metropolitan Mikhail of Lutsk and Volyn)が、モスクワ総主教・ブルガリア総主教・セルビア総主教らが着用する緑色の外套を着用したという報道が出ています。

 この人物は、2018年の統合会議において有力な“首座”候補とされながら、“フィラレート総主教”が腹心の“エピファニー府主教”を操り人形として首座にそえるために選挙戦からの撤退を要求されました(その後エピファニー府主教とフィラレート総主教は激しい対立に落ち込んでいますが)。
 最近の言動からは、(エピファニー府主教を押しのけて) OCU の首座となる意思を隠していないようにも思われます。

 また、ミハイル府主教は、今月【2021年6月】、コンスタンティノープルのバルソロメオス総主教を訪問しています。

 コンスタンティノープル総主教との会談と同月に総主教を詐称したようなもので、ムチャクチャな話ですが、ウクライナの教会情勢全体がムチャクチャですし、コンスタンティノープルはローマに完全に屈するのが時間の問題と見る人もいる情勢ですので、どの関係者にとってももうどうでもいいのかもしれません。
 正直、ギリシャ系とギリシャ系に屈服する教会は、ローマに管轄してもらったほうが(伝統的な教会としては)まだマシになると思います。実質的にもうどうにもならないダメな政治集団と化しているので。

 

 (英語)"Hierarch" of OCU Mikhail Zinkevich holds a "service" in patriarchal mantle – UOJ – the Union of Orthodox Journalists

 

キリスト教/チェコ・スロバキア正教会のシュムペルク主教イザヤシュ座下が、教会の意向に逆らって行動している模様(2021年3月)同教会も教会分裂に入る可能性が

 キリスト教/東方正教会/チェコ・スロバキア正教会のシュムペルク主教イザヤシュ座下(His Grace Bishop IsaiaIzaiáš】 of Šumperk)が、同教会の支持を度々無視しているそうです。
 同主教派、一部の司祭らの支持を得ているようで、チェコ・スロバキア正教会の教会分裂の可能性も出てきているとか(あくまで下記記事からですが)。

 

 (英語)Bishop of OCCLS, who served with Dumenko, tries to seize parish in Brno – UOJ – the Union of Orthodox Journalists

 

 2019年に同主教は、同教会が禁じている、コンスタンティノープル系ウクライナ正教会【OCU】との共同礼拝をおこなっており、これに続きブルノ・オロモウツ教区の一部を勝手に率いているという状況があります。
 親コンスタンティノープル派として、教会から分離するつもりなのか……とも思われますが……。

 ブルノ・オロモウツ教区を管轄するシメオン大主教座下(Archbishop Simeon of Brno and Olomouc)は、かつては親コンスタンティノープルとしてチェコ・スロバキア正教会内で親ロシア派と対立していましたが、現在ではこのイザヤシュ主教の行動に同調している様子はないようです。
 もっとも、シメオン座下のこれからの行動がどうなるのかいまいちよめないところではありますが……。

キリスト教/セルビア総主教ポルフィリイェ聖下がコンスタンティノープルのバルソロメオス総主教のウクライナにおける行為を「教会法にそっていない」とコメントした件で、コンスタンティノープル系ウクライナ正教会【OCU】の聖職者がセルビア総主教を非難(2021年3月)着座後すぐに泥沼の気配

 新たに着座したキリスト教/東方正教会/セルビア正教会は、セルビア総主教ポルフィリイェ聖下(ペーチ大主教 : ベオグラード・カルロヴツィ府主教 : His Holiness Porfirije, Serbian Patriarch, Archbishop of Peć, Metropolitan of Belgrade and Karlovci)は、インタビューでの答えの中で、コンスタンティノープルのバルソロメオス総主教のウクライナにおける行為(一方的に独立正教会を設置したことなど)を「我々はロシア正教会の見方をしているわけではなく教会法を守っているだけ。コンスタンティノープルのやり方は教会法・慣習に沿っていない」とコメントしました。
 これに関して、コンスタンティノープル系ウクライナ正教会【OCU】の“聖職者”が、「セルビア総主教は教会法の専門家でも、ウクライナにおける専門家でもなんでもない」と非難しているようです。

 

 (英語)Schismatic bishop fires back: Serbian Patriarch is no expert on canons, he’s pretending to be an oracle / OrthoChristian.Com
 (英語)OCU claims Patriarch Porfirije is not an expert on canons – UOJ – the Union of Orthodox Journalists

 

 ウクライナにおける現在の東方正教会の問題は多々ありますが、まず OCU の首座である“エピファニー府主教”について、ポーランド正教会は「彼は主教ではない」と回答しており、キプロス正教会でコンスタンティノープルを批判している府主教らは「彼は神品(聖職者)ではない」と発言しています。
 ポルフィリイェ総主教にいたっては、かつて「彼は信徒ですらない」としていました。

 ポルフィリイェ総主教からしてみれば、なんで首座を自称する「信徒ですらない人物」のよくわからない手下からこんなことを言われねばならんのかという話で、コンスタンティノープルがこれに対して(ポルフィリイェ聖下のコメント及び、それに対する OCU の人物のコメントに対して)何か反応するのか注目です。

 

 それにしても、ああ、泥沼……。

モンテネグロ大統領ミロ・ジュカノヴィッチ閣下が、キリスト教/第46代セルビア総主教に選出されたポルフィリイェ聖下に祝意(2021年2月)

 モンテネグロ大統領ミロ・ジュカノヴィッチ閣下(His Excellency Mr Milo ĐukanovićМило Ђукановић)が、キリスト教/東方正教会/セルビア正教会の首座/セルビア総主教に選出されたポルフィリイェ聖下(ペーチ大主教 : ベオグラード・カルロヴツィ府主教 : His Holiness Porfirije, Serbian Patriarch, Archbishop of Peć, Metropolitan of Belgrade and Karlovci)に祝意を表明しているようです。

 

 (モンテネグロ語:モンテネグロ大統領府 公式サイト)Novosti | Predsjednik Đukanović uputio čestitku novoizabranom srpskom patrijarhu Porfiriju

 

 反セルビア正教会の立場から教会に厳しい弾圧をおこない、これに加え選挙で野党勢力への弾圧をおこなうなどという愚行が、もともとうさんくさいモンテネグロの政情のさらなる評判低下を招きました。
 またセルビア共和国と西欧の接近によりこれ以上下手な手を打つのが危険になっているということもあります。
 そして、コンスタンティノープルがモンテネグロの教会法上合法でない“モンテネグロ正教会”を認めるつもりがまったくないという立場が動かないことなど、そろそろ完全に失敗というオチも見えますが……。

 ジュカノヴィッチ大統領としては、とりあえずこれまでの態度は堅持しつつも、これ以上のルール破りや無礼な態度を減らしながら、相手方の失策を待つということになるでしょう。

キリスト教/セルビア総主教ポルフィリイェ聖下への祝意を表明したコンスタンティノープル系ウクライナ正教会【OCU】首座“エピファニー府主教”の名前がセルビア正教会公式サイトのリストに無い模様(2021年2月)ウクライナ正教会(モスクワ総主教庁系)首座/キエフ・ウクライナ全土府主教オヌフリー座下の名前は掲載

 新たにセルビア総主教となった(選出着座)キリスト教/東方正教会/セルビア正教会の首座/セルビア総主教ポルフィリイェ聖下(ペーチ大主教 : ベオグラード・カルロヴツィ府主教 : His Holiness Porfirije, Serbian Patriarch, Archbishop of Peć, Metropolitan of Belgrade and Karlovci)ですが、セルビア正教会の公式サイトがポルフィリイェ総主教に対して祝意を表明した人々を列記しています。

 

 (英語:セルビア正教会 総主教庁 公式サイト)The Orthodox and the entire Christian world and people of good will congratulated Patriarch Porfirije on his election | Serbian Orthodox Church [Official web site]

 

 その中には、コンスタンティノープル系ウクライナ正教会【OCU】の首座“エピファニー府主教”の名前はなく、ロシア正教会モスクワ総主教庁の管轄権下で高度な自治的権限を有するウクライナ正教会の首座/キエフ・ウクライナ全土府主教オヌフリー座下(His Beatitude Metropolitan OnufriyOnufry】 of Kiev and All Ukraine)の名前が他の自治的権限を持つ教会の首座らとともに並んでいます。

 当たり前ですね、というところですが……。

 これに関して、ウクライナの正教会系メディア UOJ と、ギリシャの正教会系メディア Orthodox Times (Romfea.grの英語版)が記事を出しています。

 (英語)UOC Primate named among Heads of Churches who congratulated Pat. Porfirije – UOJ – the Union of Orthodox Journalists
 (英語)The newly elected Patriarch of Serbia reveals his stance on the Ukrainian issue – Orthodox Times

 後者は、ポルフィリイェ総主教がウクライナ問題に関して“中立的でない”態度を表明したという主旨であり、また反コンスタンティノープルのバチュカ主教イリネイ座下(His Grace Bishop Irinej of Bačka)やロシア正教会の影響を抜け出せなければ総主教はこのままの態度だろうというものです。
 率直な話、ポルフィリイェ総主教の個人的意見がどんなものかはわかりませんが、コンスタンティノープルを支持することはセルビア正教会にマイナスが大きすぎる以上、ポルフィリイェ総主教がわざわざ己の率いる教会をつぶそうとする必要などまったくありません。
 当たり前ですが、セルビア正教会は、 OCU を独立正教会と認めたことはなく、またそもそもエピファニー府主教を神品(聖職者)と認めたことすらありません。
 最近になって、コンスタンティノープルの府主教が、“ウクライナ独立正教会【UAOC】”から合流した“マカリー府主教”に使徒継承性があるのではないかとか言い出しましたが、これはロシア正教会による“フィラレート総主教”と“マカリー府主教”への破門(アナテマ)を2018年にコンスタンティノープルが一方的に撤回したこと件と関係があるのでしょう。一言でいえば、コンスタンティノープルは、自分たちが破門を撤回した人物が主教である資格があるのかどうかすら事前に調べていなかったということです。そして今になって、使徒継承性が無いという結論になっている人物に対して、何も新しい情報を提示せずに「あるのではないか」と言い出しているわけです。
 もっともマカリー府主教についてはどうでもよく、それよりも首座であるエピファニー府主教が聖職者としての条件を満たしていない状況をなんとかしないといけないのではないかという見解は広まっているようで、エピファニー府主教が引きずりおろされる可能性の記事も散見されます。情報戦も含むでしょうが、真面目に言えばとっとと引きずりおろして使徒継承性のある人物を首座にすえるしかないでしょう。