キリスト教/コプト正教会のロンドン大主教【ロンドン大司教】アンゲロス座下が、エジプトでのコプト正教会信徒への襲撃に関して声明(2018年11月)

 キリスト教/オリエント正教会/コプト正教会/ロンドン大主教【ロンドン大司教】アンゲロス座下(His Eminence Archbishop Angaelos of London)は、エジプト・アラブ共和国で起こったコプト正教会の信徒への襲撃に関して声明を出しました。

 

 (英語)The Coptic Orthodox Church UK: Statement by His Eminence Archbishop Angaelos, Coptic Orthodox Archbishop of London, following the murder of seven, and the wounding of at least a dozen others, outside a monastery in Upper Egypt
 (英語)Statement following the murder of seven, and the wounding of at least a dozen others, outside a monastery in Upper Egypt. | Bishop Angaelos.org

 

CopticMediaUKさんのツイート: "Statement https://t.co/zI4MLwKDJb by HE Archbishop Angaelos @BishopAngaelos following the brutal murder of seven, and the wounding of at least a dozen others, outside a monastery in Upper Egypt… https://t.co/3IrlTfucmo"

 

Archbishop Angaelos نさんのツイート: "Confirmed from sources in #Egypt Deadly Islamist attack on #Coptic #Orthodox pilgrims enroute to ancient monastery in Upper Egypt with multiple fatalities and injuries. Praying for our departed, injured and surviving brethren, and those mourning loved ones https://t.co/42SYnUsBgv"

 

一般報道:
 エジプト キリスト教徒乗ったバスが武装グループに襲撃される | NHKニュース

キリスト教系メディア:
 (ギリシャ語)Αίγυπτος: Πυροβολισμοί εναντίον λεωφορείου με Χριστιανούς – ΒΗΜΑ ΟΡΘΟΔΟΞΙΑΣ
 (ギリシャ語)Αίγυπτος: Τουλάχιστον 7 νεκροί από την επίθεση εναντίον λεωφορείου με Κόπτες Χριστιανούς – ΒΗΜΑ ΟΡΘΟΔΟΞΙΑΣ

 

映像(アラビア語・英語字幕):キリスト教/コプト正教会の修道士がイスラエル警察に“暴力”を受けた件でアレクサンドリア教皇タワドロス2世聖下がそもそもの問題を説明する動画(2018年10月)イスラエル政府とエチオピア正教会を批判

 エルサレムのスルタン修道院問題で、イスラエル警察の対応に抗議していたコプト正教会の修道士が手錠をかけられ地べたに押しつけられひきずられた件で、キリスト教/オリエント正教会/コプト正教会の首座/アレクサンドリア教皇タワドロス2世聖下(His Holiness Pope Tawadros II of Alexandria)による状況を説明する動画がアップロードされています。

 

アラビア語・英語字幕(なお、ざっと聞いただけですが、字幕の字句は多少単語が削られている気がします)/
Christian Youth Channel:
H H Pope Tawadros II Word regarding the Incident of attacking the Coptic Monks in Al Sultan Monaste – YouTube

 

 タワドロス2世教皇聖下によりますと、そもそもの問題は、1970年にエチオピア正教会側がスルタン修道院を“占拠”したことにあるとのこと。

 その後、イスラエル最高裁判所が、コプト正教会の所有であると判決を出したものの、イスラエル政府がそれを実行せず、という状況が延々と続いてきた模様。

 そして、(なぜかはよくわかりませんが)キリスト教/東方正教会/エルサレム・全パレスチナ総主教セオフィロス3世聖下(His Beatitude Theophilos III, Patriarch of Jerusalem and All Palestine)が話し合いをお膳立てして、すべてはまるくおさまったと思っていた(教皇・談)が、2016年にコプト正教会側が修道院の修復作業をおこなおうとしたところ、イスラエル当局が拒否。
(注意:2016年において、どちらが修道院を占有していたのかいまいちわからないところですが……)

 そして、その後、キリスト教/オリエント正教会/エチオピア正教会の首座/エチオピア総主教・カトリコス“アブネ”・マティアス1世聖下(His Holiness Abune Mathias I, Patriarch and Catholicos of Ethiopia)との対話もおこなわれたようです。

 が、今年【2018年】10月に修道院の修復作業はイスラエル政府がおこなうとの通知が来て、23日にイスラエル警察が修道院に入るようになり、そして修道士は(平和的に抗議活動をしていたにもかかわらず)警察に過剰な制圧を受けた……というのがコプト正教会側の主張のようです。

 

制圧の様子:
CopticMediaUKさんのツイート: "Video footage emerging online/on twitter re excessive violence by Israeli police against #Coptic monks in #Jerusalem latest tweet @BishopAngaelos for related news @SkyNews @CNN @Reuters @BBCNews @FrankRGardner @Telegraph @camanpour @ChristianToday @theipaper @PremierNewsDesk… https://t.co/IMuX1xxI39"

 

Christian Youth Channel:
CYC Breaking News 26 Oct 2018 – YouTube

 

 このスルタン修道院の経緯については、いまいちはっきりしないこともあるのですが、上記に加えていくつかのことは指摘できると思います。

 エチオピア正教会はその活動については、きわめて古くからのものとされますが、いっぽうで管轄権としては、コプト正教会の一部であり、1959年にいたるまで独立した教会ではありません。
 このスルタン修道院は、エチオピア系聖職者が関わってきたという情報もありますが、正直このことについては正否はこちらではわかりません。
 しかし、上記のアレクサンドリア教皇によるスルタン修道院がコプト正教会のものだとする根拠として、「イスラエル最高裁判所の判断」などを挙げているのみで、「そもそもエチオピア人は関係ないじゃないか」などとは発言していないところから、少なくともかなりの程度エチオピア人が関わってきたのではないか、と思えます。

 また、イスラエル政府が裁判所の判断を無視してまでなぜエチオピア正教会に肩入れするかですが、一つの可能性として、コプト正教会はエジプトでは少数派にすぎず、彼らのためにエジプト政府が本気でイスラエルと争う可能性はあまりないのに対して、エチオピアではエチオピア正教会は多数派であり(オリエント正教会で最大の信徒数の教会)、エチオピア政府はそのためにイスラエルと争う可能性は十分にあるからではないか、ということが考えられます。

 

 なお、コプト正教会の英国での代表者であるキリスト教/オリエント正教会/コプト正教会/ロンドン大主教【ロンドン大司教】アンゲロス座下(His Eminence Archbishop Angaelos of London)も声明を出しています。

 (英語)The Coptic Orthodox Church UK | Statement from His Eminence Archbishop Angaelos, Coptic Orthodox Archbishop of London on alarming images and videos emerging from Jerusalem of the treatment of Coptic clergy
 (英語)Statement from Archbishop Angaelos on alarming images and videos emerging from Jerusalem of the treatment of Coptic clergy | Bishop Angaelos.org

 

関連:
 キリスト教/コプト正教会の修道士がイスラエル警察に手錠をかけられるなどした件について、エチオピア正教会の聖シノドはコプト正教会を全面的に批判する声明を発表した模様(2018年10月)

 

 以下、余談です。

 東方正教会のエルサレム総主教が調停をおこなったということですが、なぜそれをおこなったおのか、なぜそれを受けたのか、というところがよくわからないところです。もちろんエルサレムのキリスト教関係者で有力、ということはありますが。
 エルサレム総主教自体が、ルーマニア正教会とフル・コミュニオンを解除し(修復済み)、アンティオキア総主教庁からフル・コミュニオンを解除されています(現在も継続)。そして現在のシスマに突入。よその世話をしている暇などなかったのでは……。
 また、東方正教会のシスマに関連していえば、この件もそれと近い構図があるように思えます。伝統的立場は強いものの信徒数では負けており国家の支援も少ないコプト正教会やコンスタンティノープルの全地総主教庁に対し、信徒数と国家の強力な支援を受けているエチオピア正教会やロシア正教会。ただ、東方正教会の因習(ギリシャ系人種が偉い)はまだかなり強いのに対し、コプト正教会の信者については何人と呼べばよいのかもよくわかりません

 

インタビュー動画:キリスト教/コプト正教会のロンドン大主教【ロンドン大司教】アンゲロス座下へのインタビュー(2018年10月)

 キリスト教/オリエント正教会/コプト正教会/ロンドン大主教【ロンドン大司教】アンゲロス座下(His Eminence Archbishop Angaelos of London)へのインタビュー動画です。

 

Christian Youth Channel:
Live with His Grace Angaelos – YouTube

 

ガッサーン朝後継を称する殿下が、キリスト教/コプト正教会のロンドン大主教【ロンドン大司教】アンゲロス座下を訪問(2018年9月)

※この記事は世界の王室ニュースと重複します。

 

 2018年9月19日、ガッサーン王朝の後継を称しているガッサーン王子ガリオス・エル・シェモル殿下(His Royal Highness Prince Gharios El Chemor)は、キリスト教/オリエント正教会/コプト正教会/ロンドン大主教【ロンドン大司教】アンゲロス座下(His Eminence Archbishop Angaelos of London)を訪問しました。
※下で書きますが、殿下の名前表記などから「Al-Nu’man VIII(アル=ヌーマーン8世)」などが削られています。

 

 (英語)Prince Gharios El Chemor visits Coptic Archbishop of London – THE ROYAL HERALD

 

Prince Gharios El Chemorさんのツイート: "Very thankful to His Eminence @BishopAngaelos the Coptic Archbishop of London for taking some time of his busy schedule to see me. H.E. is not only a great Christian leader but I also have the privilege of calling him a dear friend. God Bless him and all the Coptics in the world… https://t.co/kbN4RaVGVP"

 

HRH Prince Gharios El Chemor of Ghassan… – HRH Prince Gharios El Chemor of Ghassan Al-Nu'Man VIII | Facebook

 

※この殿下については以前書きましたが、昨年の途中まで使用していた His Imperial and Royal Highness をあらため、今は His Royal Highness にしています。
 さらに最近のブログではその前の表記だった(His Royal Highness Prince Gharios El Chemor of Ghassan Al-Nu’man VIII)から「of Ghassan(ガッサーンの)」「Al-Nu’man VIII(アル=ヌーマーン8世)」が削られていますが、いまのところ単に短く書いているだけだと判断しています。

 

キリスト教/エチオピア正教会のディオニシウス大主教座下が、コプト正教会のロンドン大主教【ロンドン大司教】アンゲロス座下を訪問(2018年9月)

 キリスト教/オリエント正教会/エチオピア正教会のディオニシウス大主教座下(Archbishop Dionissious)らが、キリスト教/オリエント正教会/コプト正教会/ロンドン大主教【ロンドン大司教】アンゲロス座下(His Eminence Archbishop Angaelos of London)を訪問しました。
 少し前に、エチオピア正教会は、本国エチオピアのシノドスとアメリカの亡命シノドスの和解が成立しました。今回の訪問はその挨拶まわりという意味合いもあるのかもしれません。
関連:
 キリスト教/亡命中のエチオピア正教会第4代総主教メルコリオス聖下と、本国の第6代総主教マティアス聖下の和解が成立。単一の教会が二人の総主教を戴く模様(2018年7月~8月)

 

Archbishop Angaelos نさんのツイート: "Pleased to welcome #Ethiopoan #Orthodox Archbishop Dionissious and his delegation to @CopticCentreUK today, and blessed to have them pray in @StGeorgeUK Cathedral. Expressed my sincere joy at recent #EOTC reconciliation. Looking forward to our ongoing collaboration in Britain.… https://t.co/iPvOibkNvh"

 名前・称号表記ですが、とりあえず、アンゲロス座下のほうのツイートに従いました。
 現在のエチオピア正教会の教区やシノドスの構成がよくわからないというのもあります。

 

EOTC (Orthodox Tewahedo) Channel:
በለንደን ከተማ በቅዱስ ጊዮርጊስ የቆጵጥስ ቤ/ክ የተደረገ ጉብኝት | Ethiopian Orthodox Archbishop and Coptic Archbishop – YouTube

 こちらのチャンネルは、アメリカを中心としたエチオピア正教会の映像をアップロードしていますが、どのような位置付け(もともとは、亡命側だったのか、本国側だったのか、とか)なのかよくわからないです。
 こちらでは、下記のような書き方をしています。

 His Grace Abune Dionysius, EOTC Pope of Europe Diocese

 まず、「His Grace」。現在の東方正教会では大主教(Archbishop)への敬称は「His Eminence」であることが多いですが、オリエント正教会では「His Grace」を見かけることも多いです。両方の表記を見かけた場合は、Eminenceで記述しています。
 「Abune」はエチオピアなどでは名前の前につける尊称。
 そのあとが名前ですが、アンゲロス座下のツイートとはスペルが違います(「Dionysius」「Dionissious」)。
 「EOTC Pope of Europe Diocese」は、 EOTCが「Ethiopian Orthodox Tewahedo Church」(エチオピア正教合性論教会)の略。 Popeは、もちろん教皇ではなく、エチオピア系メディアやエチオピア正教会情報サイトなどでは割とよくみる Primate(首座)の意味合いで Pope を用いている記述です。したがって同教会の欧州主教区(Europe Diocese)の首座であるということですが、敬称のこともあり、 Bishop なのか Archbishop なのかこれだけではわかりません(が、アンゲロス座下のツイートに Archbishop とあるのでそうなのでしょう)。