ロシア外務省がウクライナ暫定政権に、ロシア正教会ヴォロコラムスク府主教イラリオン座下の入国拒否について説明と謝罪を要求(2014年5月)

 2014年5月9日、ロシア正教会モスクワ総主教庁渉外局長のヴォロコラムスク府主教イラリオン座下(ヒラリオン府主教 : His Eminence Metropolitan Hilarion of Volokolamsk)がウクライナを「訪問」されました。
 目的は、ウクライナ正教会モスクワ総主教庁系のドニエプロペトロフスク・パヴログラード府主教イリネイ座下(His Eminence Metropolitan Iriney of Dnepropetrovsk and Pavlograd)の75歳の誕生日(5月10日)の祝いと、それに伴うロシア正教会からの表彰でした。
 ドニエプロペトロフスク国際空港はイラリオン座下を数時間拘束し、理由を告げずに入国を拒否したため、空港内でイリネイ座下と面会し、祝福しました。

 この件について、ロシア連邦外務省がウクライナ暫定政権に説明と謝罪を要求しています。

 

記事:
 (英語)ITAR-TASS: Russia – Russia demands Kiev’s explanations over denial of entry to church hierarch

ロシア正教会の声明:
 (ロシア語:ロシア正教会モスクワ総主教庁公式サイト)Заявление Синодального информационного отдела Московского Патриархата в связи с запретом въезда на Украину митрополиту Волоколамскому Илариону / Официальные документы / Патриархия.ru
 (英語:ロシア正教会モスクワ総主教庁渉外局公式サイト)Statement by Moscow Patriarchate Synodal Information Department on Ukraine’s entry ban for Metropolitan Hilarion of Volokolamsk | The Russian Orthodox Church

 

訪問時の記事:
 (英語:ロシア正教会モスクワ総主教庁渉外局公式サイト)High Patriarchal award is presented to Metropolitan Iriney of Dnepropetrovsk at the border control point of Dnepropetrovsk airport | The Russian Orthodox Church
 (英語:セルビア正教会公式サイト)High Patriarchal award to Metropolitan Iriney of Dnepropetrovsk at the Border Control Point of Dnepropetrovsk Airport | Serbian Orthodox Church [Official web site]

 

キリスト教/コプト正教会アレクサンドリア教皇タワドロス2世聖下がエルサレム・中東聖公会主催の展覧会に参列、テープ・カット(2014年4月)

 エジプト・アラブ共和国のコプト正教会首座/アレクサンドリア教皇タワドロス2世聖下(His Holiness Pope Tawadros II of Alexandria)が、アングリカン・コミュニオンのエルサレム・中東聖公会首座/エジプト主教ムーニール・ハンナ・アニス博士座下(The Most Reverend Dr Mouneer Hanna Anis, Bishop of Egypt : エルサレム・中東聖公会の首座としての号に「Archbishop」が使われることがあるため、大主教と書かれていることがあります)の招待によって、エルサレム中東聖公会主催の展覧会に参列され、テープ・カットをしたようです。

 

記事:
 (英語:エルサレム・中東聖公会エジプト主教区公式サイト)Pope Tawadros II opens the “Way of Salvation” art exhibition at All Saints Cathedral – The Diocese of Egypt with North Africa and the Horn of Africa
 (英語)Coptic Pope opens art exhibition in Egypt's Anglican Cathedral

 

キリスト教/東方正教会/エルサレム総主教セオフィロス3世聖下がギリシャ海軍士官らと会見(2014年4月)

 2014年4月5日、キリスト教/東方正教会/エルサレム・全パレスチナ総主教セオフィロス3世聖下(His Beatitude Theophilos III, Patriarch of Jerusalem and All Palestine)は、フリゲート艦「F455 Salamis(サラミス)」の乗員などギリシャ海軍士官らと会見しました。
 ギリシャ海軍とイスラエル海軍の共同軍事演習に関連した訪問のようです。

 

H Φρεγάτα Σαλαμίς στο Πατριαρχείο. – YouTube

 

その後、サラミスの艦長とも会見:
Ο Ναύαρχος Ν. Τσούνης στο Πατριαρχείο. – YouTube

 

キリスト教/ロシア正教会/至福者 聖ルカ(シンフェロポリ・クリミア大主教)に関連する日にクリミア独立とロシア編入(2014年3月)

 ウクライナでのクリミアの騒動ですが、当初3月30日に予定されていた住民投票が3月16日に早められました。
 翌3月17日に、クリミア自治共和国は独立を宣言し(クリミア共和国)、ロシア連邦への編入要請を決議、同日ロシア連邦はこれを承認します。

 インテルファクス通信【インターファックス通信】によりますと、この日には宗教的意義があったようです。

 

 (英語)Interfax-Religion – Crimea became a part of Russia on the day of peninsula’s heavenly protector

 

 ロシア正教会でシンフェロポリ・クリミア大主教(Archbishop of Simferopol and Crimea)を務め、列聖され、クリミアの守護聖人となっている聖ルカSaint Luka)という人物がいます(称号はおそらく「至福者」)。

 1995年11月に、ロシア正教会モスクワ総主教庁系のウクライナ正教会がこの人の列聖を発表。
 墓地にあったこの人の遺体を掘り返したのが1996年の3月17日
 この時、4万人が参列し、遺体からは芳しい香りが漂っていたとされており(なにやら「カラマーゾフの兄弟」を思い出しますが)、そして心臓は腐敗していなかったそうです。この時参列した人たちがクリミアに今もたくさんいるはずです。
 その後、遺体は3月20日にクリミアの「至聖三者大聖堂」(現在は修道院??)に移された模様。
 3月25日にロシア正教会モスクワ総主教庁よにって正式に列聖されています。

 

 この日付にあわせてきたのは、聖ルカと関連して印象付けることで、東方正教会の信仰の厚い地域からの支持を獲得しようとしたのではないかと思われます。

※とはいえ、20日や25日でなくてなぜ17日なのかはよくわかりませんが……。「芳しい香り」が重要なんでしょうか。

 

キリスト教/ウクライナ正教会(モスクワ総主教庁系)首座代行オヌフリー座下は、ウクライナ国内の正教会系集団融和の対話に懐疑的(2014年2月)

 キリスト教/東方正教会/ウクライナ正教会モスクワ総主教庁系の首座代行に選出されたチェルニウツィー・ブコヴィナ府主教オヌフリー座下(His Beatitude Metropolitan OnufryOnufriy】 of Chernovtsy and Bukovina)ですが、同じ正教会系統の教会集団でありながら分離している、ウクライナ正教会キエフ総主教庁【UOC-KP】およびウクライナ独立正教会【UAOC】との対話について、現在のウクライナの社会情勢をふまえて懐疑的な見方を示しています。

 

記事:
 (英語)Interfax-Religion – Locum tenens of the Kievan See is skeptic about prospects of the dialogue with schismatics in the “time of trouble”