シスマ2018:キリスト教/ギリシャ正教会のキティラ府主教セラフィム座下がウクライナ問題について同教会聖シノドの臨時会合を求めていた模様(2018年10月)今のところ続報なし

2018年~ ウクライナへの独立正教会設置を巡るコンスタンティノープルの全地総主教庁とロシア正教会モスクワ総主教庁の対立関連の記事一覧

 

 2018年10月15日のロシア正教会の聖シノド会合より前の時間のようですが、キリスト教/東方正教会/ギリシャ正教会のキティラ府主教セラフィム座下(His Eminence Metropolitan SeraphimSerapheim】 of Kythira【Kythera】)がウクライナ問題について同教会聖シノドの臨時会合を求めていた模様です。
 セラフィム座下は現在(2018年~2019年)、同教会の聖シノドのメンバー。

 

 (英語)Greek metropolitan calls for extraordinary session of Holy Synod to address Ukrainian crisis / OrthoChristian.Com

 (ギリシャ語)Σύγκληση Ιεραρχίας για το Ουκρανικό ζητά ο Κυθήρων Σεραφείμ

Praktoreio Ekklisiastikon… – Praktoreio Ekklisiastikon Eidiseon | Facebook

 

 すでに時間が経過しているのに続報がないようなので、廃案とあいなったのかもしれません。

 

シスマ2018:キリスト教/ロシア正教会広報:「ロシア正教会の信徒はもはやアトス山では機密を受けられない」(2018年10月)コンスタンティノープルの全地総主教庁管轄下のため

2018年~ ウクライナへの独立正教会設置を巡るコンスタンティノープルの全地総主教庁とロシア正教会モスクワ総主教庁の対立関連の記事一覧

 

 2018年10月16日の、ロシア正教会聖シノドによるコンスタンティノープルの全地総主教庁とのユーカリスティック・コミュニオンの解除に伴い、全地総主教庁の管轄権下にある聖地アトス山(ギリシャ共和国内自治領域)では、ロシア正教会の信徒は機密を受けられないという主旨の記事(?)のようです。

 

 (英語)TASS: Society & Culture – Russian Orthodox Church believers not to be allowed to worship on Mount Athos

 

 一般の信徒がアトス山がコンスタンティノープルの管轄下であることを知らないだろうということで出されたのか、なんなのかはよくわかりませんが、ギリシャへの旅行はお勧めしないということなんでしょうか?

※なお、アトス山は男しか入れません(動物の雌でもダメなケースがあるはずです)。

 ともあれ、ここでロシア正教会というのは、もちろんロシア正教会モスクワ総主教庁管轄下で自治的権限を保有する教会などを含みますので、
 ウクライナ正教会、
 ベラルーシ正教会(全ベラルーシ総主教代理区)、
 モルドバ正教会、
 エストニア正教会モスクワ総主教庁系、
 ラトビア正教会、
 日本正教会【日本ハリストス正教会】、
 在外ロシア正教会、
 の信徒らも同じ扱いになるでしょう(教会がモスクワ総主教庁とのコミュニオンを離脱して全地総主教庁とのコミュニオンに入れば別ですが)。

 

追記:
 もう一つ記事が出ました。

 (英語)TASS: Society & Culture – Russian Orthodox believers not barred from venerating Christian shrines on Mount Athos

 アトス山で不朽体やイコンを崇敬するのは構わないけど、機密はダメだよ、ということでしょうか。

 

キリスト教/ローマ教皇フランシスコ聖下が、福者ローマ教皇パウロ6世や福者オスカル・ロメロ大司教ら七人の列聖式を執り行う(2018年10月)

 2018年10月14日、キリスト教/ローマ・カトリック教会の首座/ローマ教皇聖座およびバチカン市国の絶対君主/ローマ教皇フランシスコ聖下(His Holiness Pope Francis)は、七人の福者の列聖式を執り行いました。

 

七人は:
 ローマ教皇 福者パウロ6世(Pope Blessed Paul VIV)、
 福者オスカル・ロメロ大司教(Archbishop Blessed Oscar Romero
 福者フランチェスコ・スピネッリBlessed Francesco Spinelli)、
 福者ヴィンチェンツォ・ロマーノBlessed Vincenzo Romano)、
 福者マリア・カタリナ・カスパーBlessed Maria Katharina Kasper)、
 福者ナサリア・イグナシア・マルチ・メサナサリア・デ・サンタ・テレサ・デ・ヘスス】(Blessed Nazaria Ignacia March Mesa : Nazaria de Santa Teresa)、
 福者ヌンツィオ・スルプリツィオBlessed Nuncio Sulprizio)、

 

主な参列者:
 前スペイン王妃ソフィア陛下(Her Majesty Queen Sofía of Spain)、
 イタリア共和国大統領セルジョ・マッタレッラ閣下(セルジオ・マッタレラ : His Excellency Sergio Mattarella)、
 チリ共和国大統領セバスティアン・ピニェラ・エチェニケ閣下(His Excellency Mr Sebastián Piñera Echenique)、
 エルサルバドル共和国大統領サルバドル・サンチェス・セレン閣下(His Excellency Mr Salvador Sanchez Cerén)、
 パナマ共和国大統領ファン・カルロス・バレーラ閣下(His Excellency Mr Juan Carlos Varela Rodríguez
 英国国教会の前カンタベリー大主教ローワン・ウィリアムズ座下(His Grace Rowan Williams)らカンタベリー大主教の代理、

 

 教皇パウロ6世、オスカル・ロメロ大司教ら、7人の列聖式、バチカンで – バチカン・ニュース
 聖パウロ6世教皇(ジョヴァンニ・バッティスタ・モンティーニ) – バチカン・ニュース
 聖オスカル・ロメロ大司教 – バチカン・ニュース
 列聖式:新聖人たちの人となり – バチカン・ニュース
 教皇、列聖式の参加者らに感謝、正午の祈り – バチカン・ニュース

 (英語:ローマ教皇聖座公式サイト)Rite of Canonization of 7 Blesseds, presided at by Pope Fraancis, 14.10.2018

 (英語)Pope: ‘Saints risk everything to put the Gospel into practice’ – Vatican News
 (英語)Pope thanks authorities for participating in canonization Mass – Vatican News
 (英語)Canonization Mass: Signs and symbols of sanctity – Vatican News

 

イタリア語ナレーション/
Vatican News – Italiano:
Papa Francesco – Piazza San Pietro – Santa Messa con Canonizzazioni e Angelus 2018-10-14 – YouTube

英語ナレーション/
Vatican News – English:
Pope Francis – St Peter's Square – Holy Mass with Canonizations and Angelus – 2018-10-14 – YouTube

 

Vatican News – Italiano:
Papa Francesco alla messa di canonizzazione: mettere al centro Dio e non i soldi – YouTube

 

 (英語)Paul VI and Monsignor Oscar Romero are now officially saints | ROME REPORTS

ROME REPORTS in English:
Paul VI and Monsignor Oscar Romero are now officially saints – YouTube

 

インタビュー動画:キリスト教/キプロス大主教クリソストモス2世座下へのインタビュー(2018年10月)癌と闘病中とのこと

 キリスト教/東方正教会/キプロス正教会の首座/ノヴァ・ユスティニアナと全キプロスの大主教クリソストモス2世座下(His Beatitude Archbishop Chrysostomos II of Nova Justiniana and all Cyprus)へのインタビュー動画が公開されています。

 ギリシャ語なので、正直内容の理解に全然自信がないのですが、

  • 初夏より癌と闘病中(肝臓と腸?)
  • 国民保険の問題?
  • すでに次期大主教のことを考えている人たちについて聞かれている?←内部では知られていることだったということ??
  • キプロス情勢について、トルコのエルドアン大統領がひくことはありえないため、アメリカのトランプ大統領(の強硬政策)に期待?
  • TVOneというキプロスのテレビ局に関する問題?

 

Ο Φιλελεύθερος / Philenews:
Αρχιεπίσκοπος Κύπρου: Εγώ και ο Καρκίνος – YouTube

 

Ο Φιλελεύθερος / Philenews:
O Αρχιεπίσκοπος Κύπρου για το Κυπριακό – YouTube

 

 (ギリシャ語:キプロス大主教庁公式サイト)Συνέντευξη του Μακαριωτάτου Αρχιεπισκόπου Κύπρου στο Philenews – Εκκλησία της Κύπρου
 (ギリシャ語:キプロス大主教庁公式サイト)Συνέντευξη του Μακαριωτάτου Αρχιεπισκόπου Κύπρου στο Philenews (Μέρος β’), Κυριακή 14.10.2018 – Εκκλησία της Κύπρου

 (ギリシャ語)Κύπρου Χρυσόστομος Β': ''Πάσχω από καρκίνο και δίνω τη δική μου μάχη''

 (英語)Archbishop Chrysostomos of Cyprus announces he is suffering from cancer / OrthoChristian.Com

 

Γραφείο Ενημερώσεως και Επικοινωνίας της… – Γραφείο Ενημερώσεως και Επικοινωνίας της Εκκλησίας της Κύπρου | Facebook

 

Praktoreio Ekklisiastikon… – Praktoreio Ekklisiastikon Eidiseon | Facebook

 

キリスト教/東方正教会/教会法上合法でない“マケドニア正教会-オフリド大主教庁【MOC-OA】”が、国名も教会名も「マケドニア」を維持すべきと主張(2018年10月)

 ギリシャ系正教会メディア「ΡΟΜΦΑΙΑ(Romfea.gr)」が MIA (マケドニアのニュース)の報道を引いて記事にしているところによりますと、キリスト教/東方正教会の教会法上合法でない“マケドニア正教会-オフリド大主教庁【MOC-OA】”(以下、MOC-OA)が、国名も教会名も「マケドニア」を維持すべきと主張しているようです。

※MIAのニュースサイトを見てみましたが、英語版・マケドニア語版とも該当記事は見つかりません。

 

 (ギリシャ語)Σχισματική εκκλησία Σκοπίων: «Το όνομα της εκκλησίας και της χώρας να παραμείνει Μακεδονία»

 

 マケドニア共和国(マケドニア旧ユーゴスラビア共和国 : FYROM)は、ユーゴスラビア崩壊後、隣国ギリシャによって国名への「マケドニア」使用が反対され、欧州連合【EU】や北大西洋条約機構【NATO】への加盟も事実上拒否されてきましたが、現在の両国政権により、「国名を北マケドニア共和国に変える」ことで合意がなされました(どちらも厳しい反対意見があります)。

 そんな中で先月末、マケドニア共和国で国民投票がおこなわれましたが、投票率は事前に決めていた目標を下回りました。また、そもそも投票結果は行政府を束縛するものではありません。議会での賛成が必要でした。
 マケドニアの政権はまったくあきらめておらず、NATOやその拡大を目指すアメリカも支持していますが、一方、ロシアは反対している、という、いつもの状況です。

 それはともかくとして、教会の話ですが、MOC-OAは、仲の良いブルガリア正教会と教会法上合法化に向けた取り組みを開始しています(2017年11月報道よりたびたび話が出ます)。
 マケドニア共和国の領域は、セルビア正教会の管轄で、同教会が正教オフリド大主教庁を設置していますが、MOC-OAと同国政府はこれを弾圧してきました。
 MOC-OAの教会法上合法化はセルビア正教会には容認できるものではなく、またロシア正教会もセルビア正教会に同調しています(とはいえ両教会がすべてのことにおいて共同するわけではないことには注意が必要です)。
 そして、コンスタンティノープルの全地総主教庁も、「マケドニアやその派生語を含む名称」は一切認めないとしており、仮に名称を「北マケドニア正教会」としても、全地総主教庁の承認は得られない状況にあります。これはギリシャ国内のマケドニア地方が全地総主教庁の管轄下にあることが理由なのでしょう(ギリシャ国内の管轄権はギリシャ正教会に預けられているともいわれますが、これまでの状況をみるとギリシャ正教会は無視されているように思えます)。

 唯一の道は、教会名に「マケドニアやその派生語を含む名称」を一切入れないことで全地総主教庁の合意を得ることでしょうが、これもまた今回の声明が本気であれば、選択肢に入っていないようです(とはいえ、これまでもいろいろと報道が出ているので、フェイクニュースかもしれません)。

 MOC-OAのスタンスは興味深いですが、もし彼らが現在の立場を維持するならば、コンスタンティノープルの全地総主教庁とフル・コミュニオンに入ることはありえず、一方でロシア正教会モスクワ総主教庁とフル・コミュニオンに入ることもありえなさそうです。