キリスト教/ロシア正教会ヴォロコラムスク府主教アントニー座下が、日本正教会首座代行/仙台大主教セラフィム座下を訪問(2023年9月)

 2023年9月8日、キリスト教/東方正教会/ロシア正教会モスクワ総主教庁渉外局長ヴォロコラムスク府主教アントニー座下(His Eminence Metropolitan Anthony of Volokolamsk, Chairman of the Department for External Church Relations of the Moscow Patriarchate)は、東京復活大聖堂(ニコライ堂)にて、キリスト教/東方正教会/ロシア正教会モスクワ総主教庁の管轄権下で自治正教会として活動する日本正教会の首座代行/仙台大主教セラフィム座下(His Eminence Archbishop Seraphim of Sendai, Locum Tenens of the Metropolitan See of the Holy Autonomous Orthodox Church in Japan : 辻永昇つじえ のぼるNoboru Tsujie)と会談しました。

 

 (英語:ロシア正教会モスクワ総主教庁渉外局 公式ウェブサイト)DECR Chairman meets with Locum Tenens of the Metropolitan See of the Japanese Orthodox Church

 

 セラフィム大主教は、ダニイル府主教の永眠を受けて、首座代行となっています。

訃報(2023年8月10日):キリスト教/日本正教会首座/全日本府主教ダニイル座下が永眠(1938~2023)

 2023年8月10日、キリスト教/東方正教会/ロシア正教会モスクワ総主教庁の管轄権下で自治正教会として活動する日本正教会【日本ハリストス正教会】の首座/東京大主教・全日本府主教ダニイル座下(His Eminence Daniel【Daniil】, Archbishop of Tokyo, Metropolitan of All Japan : 主代郁夫ぬしろ いくおIkuo Nushiro)が永眠しました。
 1938年9月5日生まれの84歳。

 

日本正教会 公式サイト:
 訃報 - 日本正教会|ハリストス正教会 The Orthodox Church in Japan
 ダニイル府主教 主教埋葬式 2023年8月17日 - 日本正教会|ハリストス正教会 The Orthodox Church in Japan

 

 20年以上にわたり、日本正教会の首座であった人物の永眠です。
 最後の数年は、文字通り激動の時代に入ってしまいました。

 

 今回、訃報の文書がそのまま画像で掲示されていますが、上記、日本正教会の公式サイトでは、教会名を、

 日本語:聖自治日本正教会

 英語:HOLY AUTONOMOUS ORTHODOX CHURCH IN JAPAN

 としています。
 一方、宗教法人名を「日本ハリストス正教会教団」としています。
 日本正教会の呼称には混乱が見られますが、日本ハリストス正教会(教団)は宗教法人名で、教会名としては(聖自治)日本正教会ということのように思われます。

※が、正確なことをお知りになりたい事情がある方は、直接、日本正教会にお尋ね下さい。

 

 また、永眠に伴い、仙台大主教・東京副主教セラフィム座下(His Eminence Archbishop Seraphim of Sendai : 辻永昇つじえ のぼるNoboru Tsujie)が、「日本ハリストス正教会憲法第九条に則り」「聖自治日本正教会首座代理に就任します」としています。
追記:
 ここからの文章を訂正しています。誤解を招いて申し訳ありません。
 (英語:ロシア正教会モスクワ総主教庁 公式サイト)His Holiness Patriarch Kirill invoked God’s blessing upon the work of the Locum Tenens of the Metropolitan See of the Japanese Orthodox Church / News / Patriarchate.ru

On August 11, 2023, in connection with the demise of Metropolitan Daniel of Tokyo and All Japan, Archbishop Seraphim of Sendai was elected as Locum Tenens of the Metropolitan’s See of the Japanese Orthodox Church in accordance with the Statute of this Church.

 キリル総主教から祝福の書簡がセラフィム大主教に送られたという記事ですが、「in accordance with the Statute of this Church」(この教会の憲章に従い)「Archbishop Seraphim of Sendai was elected as Locum Tenens of the Metropolitan’s See of the Japanese Orthodox Church」(仙台大主教セラフィムが日本正教会の府主教座(首座)代行に選出された)と書いています。
 日本正教会の発表と同内容と見て良さそうです(条文詳細はわかりませんが)。

※が、これもまた、正確なことをお知りになりたい事情がある方は、直接、日本正教会にお尋ね下さい。

 

 日本正教会には主教がひとりになってしまいましたが、いずれ、新たな主教を、という声が挙がる(あるいは府主教の生前からすでに挙がっていた)ものと思われます。

 

 座下の永眠に伴い、モスクワ総主教庁が記事を出しています。

 (英語:ロシア正教会モスクワ総主教庁 公式サイト)Patriarchal condolences over the passing away of Metropolitan Daniel of Tokyo / Patriarch / Patriarchate.ru

 (英語:ロシア正教会モスクワ総主教庁渉外局 公式サイト)Metropolitan Daniel of Tokyo and All Japan passes away in the Lord
 (英語:ロシア正教会モスクワ総主教庁渉外局 公式サイト:キリル総主教からの弔意)Patriarchal condolences over the passing away of Metropolitan Daniel of Tokyo
 (英語:ロシア正教会モスクワ総主教庁渉外局 公式サイト:アントニー府主教からの弔意)DECR chairman sends condolences over the death of Metropolitan Daniel of Tokyo and All Japan

 (英語)Metropolitan Daniel of Japan reposes in the Lord / OrthoChristian.Com

 

関連:
 キリスト教/ロシア正教会ヴォロコラムスク府主教アントニー座下が、日本正教会首座代行/仙台大主教セラフィム座下を訪問(2023年9月)

キリスト教/日本正教会首座/全日本府主教ダニイル(主代郁夫)座下らが、日本国駐箚ロシア連邦大使を訪問(2020年11月)

 2020年11月24日、キリスト教/東方正教会/ロシア正教会下で自治的な権限を持つ日本正教会【日本ハリストス正教会】の首座/東京大主教・全日本府主教ダニイル座下(His Eminence Daniel【Daniil】, Archbishop of Tokyo, Metropolitan of All Japan : 主代郁夫ぬしろ いくおIkuo Nushiro)、仙台大主教・東京副主教セラフィム座下(His Eminence Archbishop Seraphim of Sendai : 辻永昇つじえ のぼるNoboru Tsujie)は、日本国駐箚ロシア連邦特命全権大使ミハイル・ユーリエヴィチ・ガルージン閣下(His Excellency Mikhail Yurievich Galuzin)を訪問しました。

 

 日本正教会|ハリストス正教会 The Orthodox Church in Japanより:
 News&Topics | ロシア大使会見

 

東京でキリスト教/ルーマニア正教会の聖堂が成聖される(2020年11月)同教会の西欧・南欧大主教ヨシフ座下【イオシフ府主教】、日本正教会首座/全日本府主教ダニイル(主代郁夫)座下が臨席

 2020年11月3日、キリスト教/東方正教会/ルーマニア正教会日本支部の聖堂の成聖式がおこなわれたようです。
 同教会の西欧・南欧府主教ヨシフ座下(イオシフ府主教 : His Eminence Metropolitan Iosif of Western and Southern Europe)が来日、
 キリスト教/東方正教会/ロシア正教会下で自治的な権限を持つ日本正教会【日本ハリストス正教会】の首座/東京大主教・全日本府主教ダニイル座下(His Eminence Daniel【Daniil】, Archbishop of Tokyo, Metropolitan of All Japan : 主代郁夫ぬしろ いくおIkuo Nushiro)が臨席したようです。

 

 News&Topics | ルーマニア正教会 聖堂成聖式日本正教会|ハリストス正教会 The Orthodox Church in Japanより)

 (英語:ルーマニア正教会通信)Consecration of the Romanian Orthodox Church in Tokyo – Basilica.ro

 

Basilica.ro (EN)さんはTwitterを使っています 「Consecration of the Romanian Orthodox Church in Tokyo https://t.co/rozs249VqP #Orthodox #Romanian #Diaspora #Japan https://t.co/TREaalg4aG」 / Twitter

 

The service was officiated by Romanian… – Basilica News Agency | Facebook

 

 やや枠外の話ですが、興味深いのは、ギリシャの正教会系メディア OrthodoxTimes ( Romfea.gr の英語版)が 11月7日 付でこの件をルーマニア正教会通信の情報を引用する形で報じていたのですが、その後記事が削除されたことです。
 コンスタンティノープルによる、日本に対するロシア正教会の管轄権を認めず、またルーマニア正教会がそれを認めることも認めないという意思を受けてのものとも推察できます。
 もちろん、単純に別の理由かもしれませんが、東方正教会全体からみれば世界の片隅の日本の聖堂の成聖式でコンスタンティノープルとモスクワのシスマがすぐ連想されるというのはなんともいえないものです。

 

キリスト教/セルビア正教会/ブディムリャ・ニクシッチ主教ヨアニキイェ座下の体調不良への不安が広がっている模様(2020年11月)新型コロナウイルス感染症【COVID-19】で永眠したアンフィロヒイェ府主教の葬儀で三密・マスク無しで大規模な人数が参列

 キリスト教/東方正教会/セルビア正教会/モンテネグロ・沿海府主教庁の一時的な管理者となっているブディムリャ・ニクシッチ主教ヨアニキイェ座下(His Grace Bishop Joanikije of Budimlja and Nikšić)の体調不良が報じられており、座下本人は自身の修道院で自主隔離に入っているようです。

 

 (セルビア語:モンテネグロ・沿海府主教庁 公式サイト)Саопштење за јавност о здравственом стању Епископа Јоаникија | Православна Митрополија црногорско-приморска (Званични сајт)

 

 普段からこのサイトをご覧いただいている方はすでにご存知かと思いますが、2020年10月30日に永眠したキリスト教/セルビア正教会の重鎮、モンテネグロおよび沿海の府主教アンフィロヒイェ座下(His Eminence Metropolitan Amfilohije of Montenegro and the Littoral)の葬儀・埋葬およびその前の遺体到着時に多数の人が三密の状態で集まっており、かなりの割合の人がマスクをしていませんでした。
 礼拝時の聖職者・関係者でいえばマスクなど皆無に近い状況で、しかもCOVID-19が原因で亡くなった府主教の遺体にくちづけをしたりする人も多く、大丈夫なのかというか、これはクラスタ発生不可避なのでは、と少々唖然としていたのが正直なところです。
 新型コロナウイルス感染症をまったく気にしていないのかと首をかしげたりもしましたが、今回、ヨアニキイェ主教の少々の体調不良で大騒ぎになっているところをみると、アンフィロヒイェ府主教の永眠と大規模葬儀の興奮がしずまってきた今、あたりまえの不安が持ち上がってきているのかとも思えます。

関連:
 数千人が、永眠したキリスト教/セルビア正教会の重鎮/モンテネグロおよび沿海の府主教アンフィロヒイェ座下の遺体到着を出迎える(2020年10月)ポドゴリツァのハリストス復活大聖堂
 葬儀:キリスト教/セルビア正教会の重鎮/モンテネグロおよび沿海の府主教アンフィロヒイェ座下の葬儀がおこなわれる(2020年11月)

 

 なお、東方正教会の聖職者全体で、マスクへの抵抗は強く、特に聖堂内や礼拝中でのマスクへの拒否感は凄まじいものがあります。

※ロシア正教会モスクワ総主教庁の管轄権下で自治的な権限を持つ日本正教会【日本ハリストス正教会】では、マスクをして礼拝に臨む主教らの写真が掲載されています。