キリスト教/ローマ教皇フランシスコ聖下が教皇自発教令を発布。オプス・デイの管轄を司教省から聖職者省に変更。属人区長は司教とならなくなる、など(2022年7月)

 2022年7月22日、キリスト教/ローマ教皇フランシスコ聖下(His Holiness Pope Francis)はオプス・デイに関する内容の教皇自発教令を発布しました。
 8月4日に発効します。

 オプス・デイの管轄を司教省から聖職者省に変更。属人区長は司教とならなくなる、などです。

※現在のオプス・デイ属人区長フェルナンド・オカリス・ブラーニャ師(Monsignor Fernando Ocáriz Braña)は属人区長となってから数年たちますが司教叙階を受けていません。

 属人区長は裁治権を有しており、今回の教令により、オプス・デイの組織に大きな変更が起こるわけではありません。
 ローマ教皇庁は今年に組織再編をおこなっており、これもまた一環である、と思われます。
 しかし、この内容では宗教的な理屈はともかくとしても単純にオプス・デイへの格下げがおこなわれたようにしか思えないのですが……。

 今回の自発教令はオプス・デイを対象にしていると取れますし、オプス・デイ以外に属人区(Personal Prelature)は成立していませんので、他への影響を考える必要はなさそうです。

※アングリカンの人々を受け入れるために設置された属人裁治区(Personal Ordinariate)は、発想を属人区から取り入れた部分はあるとはいえ別物ですので、今回の件には関係ありません。

 

 (英語:ローマ教皇聖座 公式サイト)Apostolic Letter issued “Motu proprio” of the Supreme Pontiff Francis “Ad charisma tuendum”, 22.07.2022

 

 (英語)Pope Francis adapts the norms of Opus Dei to the new apostolic constitution | ROME REPORTS

ROME REPORTS in English :
Pope Francis adapts the norms of Opus Dei to the new apostolic constitution – YouTube

 

 (日本語版:オプス・デイ公式サイト)属人区長の手紙:自発教令『Ad charisma tuendum』について。 – オプス・デイ
 (日本語版:オプス・デイ公式サイト)自発教令の形式による使徒的書簡『アド・カリスマ・トゥエンドゥム』(Ad charisma tuendum):カリスマを守るため – オプス・デイ
 (日本語版:オプス・デイ公式サイト)自発教令『アド・カリスマ・トゥエドゥム』(Ad charisma tuendum)についてQ&A – オプス・デイ

 (英語アメリカ版:オプス・デイ公式サイト)Motu Proprio “Ad charisma tuendum”: Questions and Answers – Opus Dei
 (英語アメリカ版:オプス・デイ公式サイト)Letter from the Prelate regarding the Motu Proprio “Ad charisma tuendum” – Opus Dei

キリスト教/ローマ・カトリック教会/「南十字星の聖母の属人裁治区」第2代裁治権者にカール・レオナード・リード司祭が着座(2019年8月)

 2019年8月27日、キリスト教/ローマ・カトリック教会で、アングリカン系統の教会を離脱した人々のために設けられた属人裁治区のうちでオーストラリア連邦に設置されている(ローマ教皇聖座直轄)「南十字星の聖母の属人裁治区(Personal Ordinariate of Our Lady of the Southern Cross)」の第2代裁治権者カール・レオナード・リード司祭(Priest Carl Leonard Reid, Ordinary of Our Lady of the Southern Cross)が着座したようです。今年3月に叙任。

 

St Mary’s Cathedral Sydney:
Installation Mass for the New Ordinary of the Ordinariate of Our Lady of the Southern Cross – YouTube

 

A Wonderful occasion.Thanks be to God – Personal Ordinariate of Our Lady of the Southern Cross | Facebook

 

キリスト教/ローマ教皇ベネディクト16世聖下が、オーストラリアに新たな属人裁治区「南十字星の聖母の属人裁治区」を設置。ハリー・エントウィッスル師を初代裁治権者に叙任(2012年6月)

 キリスト教/ローマ・カトリック教会/ローマ教皇ベネディクト16世聖下(His Holiness Pope Benedict XVI)は、オーストラリア連邦に新たな属人裁治区である「南十字星の聖母の属人裁治区」を設置、ハリー・エントウィッスル師(The Reverend Monsignor Harry Entwistle)を初代裁治権者に叙任したようです。

 

記事:
 教皇、豪州で「オルディナリアーティ」創設へ |国際|超教派(エキュメニカル)キリスト教報道メディア会社のクリスチャントゥデイニュースサイト
 オルディナリアーテ、3番目はオーストラリアに |国際|超教派キリスト教報道メディア会社のクリスチャントゥデイニュースサイト
 (英語)Pope establishes Australian ordinariate for former Anglicans :: Catholic News Agency (CNA)

 

キリスト教/属人裁治区に関する動画:ROME REPORTS「What is an Anglican Ordinariate?」(2011年1月)

 ROME REPORTSに、属人裁治区に関する動画がありました。

 

↓動画再生前静止状態で映っている人物について(たぶん、です)。
左から三人目の司教冠(?)を着けている人物がローマ・カトリック教会のアラン・ホープス司教座下(Alan Hopes)。今回の件で英国での状況に関して一連の動きを担当したようです。
左から一人目・五人目・七人目(切れて見えませんが)が、英国国教会からローマ・カトリック教会に「移籍」した、キース・ニュートン師(Keith Newton : 元リッチボロー主教)、ジョン・ブロードハースト師(John Broadhurst : 元フラム主教)、アンドルー・バーナム師(Andrew Burnham : 元エブスフリート主教)。

ROME REPORTS in English :
What is an Anglican Ordinariate? – YouTube

 

 英国国教会での女性主教誕生が確実になったことを受け離脱の姿勢を見せている聖職者とその信徒たちを受け入れるため、ローマ・カトリック教会が整備した Anglicanorum Coetibus(アングリカノルム・チェティブス)。
 それにより属人裁治区が設置されました(英国では<ウォルシンガムの聖母の属人裁治区>)。
 これにより英国国教会の典礼を残す形での受け入れが可能となりましたが、(元・英国国教会の)妻帯した聖職者が、独身前提のローマ・カトリック教会の聖職者と同等として受け入れられること、その特殊な司祭が裁治権を与えられることなどによる混乱も多いようです。

 

記事:
 聖公会元主教3人、カトリック教会司祭に正式に叙階 – クリスチャントゥデイ
 英国国教会、司祭7人と信徒300人弱がカトリックへ – クリスチャントゥデイ