シスマ2018:キリスト教/フランス正教主教会議【AEOF】がウクライナ問題を憂慮し解決を訴える声明(2018年10月)ロシア正教会の主教らは出席せず

【シスマ2018】東方正教会大分裂: ウクライナへの独立正教会設置を巡るコンスタンティノープルの全地総主教庁とロシア正教会モスクワ総主教庁の対立とそれに端を発した出来事及びその他のシスマ的な出来事の記事一覧など

 

 2018年10月16日、キリスト教/東方正教会のフランス正教主教会議【AEOF】がウクライナ問題を憂慮し解決を訴える声明を出したようです。ロシア正教会の主教らは出席せず。

 

 (英語)Statement by the assembly of the French Orthodox Bishops on the Ukrainian issue ⋆ Orthodoxie.com

 (英語:ルーマニア正教会通信)Statement by the assembly of the French Orthodox Bishops on the Ukrainian issue – Basilica.ro

 

 そして、このフランス正教主教会議【AEOF】の議長は、ロシア正教会による“フィラレート聖下”及び“マカリー座下”へのAnathemaを全地総主教庁が一方的に撤回することを発表したフランス府主教エマニュエル座下(His Eminence Metropolitan Emmanuel of France)であり、座下自信のみによる決定ではもちろんないにせよ、座下の発表により問題が発生しているのに「ウクライナ問題の解決」「正教会の統一」「独立正教会関係の協働の必要性」を求める声明を出すなど実にまあ神経が太いことです。ロシア正教会にさらにケンカをふっかけているのか、それとも脅していればロシアは屈服すると思っているのかよくわかりませんが……。

 なお、管轄権が確定していない東方正教会の信徒が少数派の各国などに正教主教会議は設置されていますが、コンスタンティノープルの全地総主教庁の主教が議長となるため、ロシア正教会はユーカリスティック・コミュニオン解除前から参加しないことを決定しています。
 コミュニオン解除により、ますます参加の可能性がなくなりました。

 これらの正教主教会議のウェブサイトからいつロシア正教会やロシア正教会の主教らの名前が消えるかというのが気になるポイントではありますが、このフランス正教主教会議【AEOF】の公式サイトでは年内に消すこともあるかもしれません。

 

シスマ2018:キリスト教/コンスタンティノープルの全地総主教庁が、ロシア正教会による“キエフ総主教フィラレート聖下”及び“ウクライナ独立正教会首座マカリー座下”への Anathema(簡単にいうと破門の重いほう)撤回を正式発表(2018年10月)モスクワ総主教庁「コンスタンティノープルはレッドラインを超えた」10月15日の聖シノドで対応を決定。コンスタンティノープルを破門する可能性も

【シスマ2018】東方正教会大分裂: ウクライナへの独立正教会設置を巡るコンスタンティノープルの全地総主教庁とロシア正教会モスクワ総主教庁の対立とそれに端を発した出来事及びその他のシスマ的な出来事の記事一覧

 

 すでに先行してギリシャの正教会系メディアが報道していましたが、正式発表です。

 2018年10月11日、キリスト教/東方正教会/コンスタンティノープルの全地総主教庁聖シノドは、ロシア正教会によっておこなわれた教会法上合法でない“キエフ総主教フィラレート聖下”及び“ウクライナ独立正教会首座マカリー座下”への Anathema(簡単にいうと破門の重いほう)を撤回することを決定。
 フランス府主教エマニュエル座下(His Eminence Metropolitan Emmanuel of France)、
 「キエフにおける総主教代理」アメリカ合衆国ウクライナ正教会(Ukrainian Orthodox Church of the USA)のパンフィロン大主教ダニエル座下(His Eminence Archbishop Daniel, Archbishop of Pamphilon)、
 「キエフにおける総主教代理」カナダ・ウクライナ正教会(Ukrainian Orthodox Church of Canada)のエドモントン・西部教区主教イラリオン座下(His Grace, the Right Reverend Bishop Ilarion, Bishop of Edmonton and the Western Eparchy)、
 らが発表。

 

 (英語:コンスタンティノープルの全地総主教庁公式サイト)Announcement (11/10/2018). – Announcements – The Ecumenical Patriarchate

 

Ecumenical Patriarchateさんがライブ動画を作成しました。 – Ecumenical Patriarchate

 

 ロシア正教会モスクワ総主教庁側は、2018年10月15日に、ベラルーシのミンスクで聖シノドを開催、ウクライナ正教会(モスクワ総主教庁系)関係者は、(興奮しているのかもしれませんが) キリスト教/東方正教会首席/コンスタンティノープル=新ローマ大主教・全地総主教バルソロメオス聖下(バーソロミュー1世世界総主教バルトロマイ1世ヴァルソロメオス1世 : His All-Holiness Bartholomew, Archbishop of Constantinople-New Rome and Ecumenical Patriarch)への Anathema もありうるとしているとのこと。

 

 (英語)TASS: Society & Culture – Ecumenical Patriarchate lifts anathema against leaders of two Ukrainian churches
 (英語)TASS: Society & Culture – Constantinople cancels 1686 decision on Kiev Metropolia
 (英語)TASS: Society & Culture – Moscow patriarch comments on decision to lift anathema against Ukrainian church leaders
 (英語)TASS: Society & Culture – Russian Orthodox Church’s Holy Synod to assess Constantinople moves on October 15
 (英語)TASS: Society & Culture – Patriarch Bartholomew must be anathematized — Ukrainian Orthodox Church
 (英語)TASS: Society & Culture – Russian Orthodox Church official vows ‘firm and tough’ response to Constantinople’s move

 (ロシア語:ロシア正教会モスクワ総主教庁公式サイト)В.Р. Легойда: Константинопольским Патриархатом совершено беспрецедентное антиканоническое действие / Новости / Патриархия.ru

 (セルビア語:セルビア正教会モンテネグロ・プリモルスカ府主教庁公式サイト)Цариград почео процес признавања аутокефалности УПЦ, из Московске патријаршије кажу да је то легализација раскола | Православна Митрополија црногорско-приморска (Званични сајт)

 

【シスマ2018】東方正教会大分裂: ウクライナへの独立正教会設置を巡るコンスタンティノープルの全地総主教庁とロシア正教会モスクワ総主教庁の対立とそれに端を発した出来事及びその他のシスマ的な出来事の記事一覧など

 新約聖書/マタイによる福音書/10章/34節 より:

わたしが地上に平和をもたらすために来たと考えるな。平和ではなく剣をもたらすために来たのだ。

 

※NHKなどによる雑な報道「ウクライナ正教会がロシア正教会から一方的に独立」などで、混乱している方も多いのですが、2018年10月12日時点で次のような状況です。
追記(2018年10月16日):
 10月15日にロシア正教会はコンスタンティノープルの全地総主教庁との関係を解除しました
 また、コンスタンティノープルの全地総主教庁からウクライナに派遣された二名の“キエフにおける総主教代理”はまもなくウクライナ内での調整を終えて、全地総主教庁に戻るという報道もあります(通常アメリカとカナダにいる人たちなので、「戻る」というのが適切かどうかわかりませんが)。

  • 東方正教会の教会法上合法な教会はロシア正教会モスクワ総主教庁管轄権下で高度な自治的権限を持つウクライナ正教会で、同教会はコンスタンティノープルの全地総主教庁に独立の承認を要求していませんでしたし、今もしていません
  • 独立正教会としての承認を要求していたのは、ウクライナ国内の教会法上合法でない教会(ウクライナの総主教と報道されているのはこっち)であり、コンスタンティノープルの全地総主教庁は、これらの教会に対して(今まではロシア正教会系のウクライナ正教会を認めていたのに)態度を変えて承認する方向に動いています。これに関してコンスタンティノープルの全地総主教庁は、ウクライナの管轄権を今まで手放したことはない(ので独立正教会を設置することに問題はない)、と主張しています。ロシア側は悪意のある歴史の書き換えだと主張。
  • 全地総主教庁の動きの原因にはウクライナのポロシェンコ政権や議会による訴えがありました(これについてはウクライナ憲法の政教分離原則に抵触しているという訴訟が提起されています)。またポロシェンコ大統領は「外国の宗教団体に自国の宗教団体が影響されることがあってはならない」という主旨のことを述べていますが、コンスタンティノープルの全地総主教庁はトルコ共和国の宗教団体です。いつからトルコはウクライナ領になったのですか?いやまあこれは意地悪ですので消しておきます。
  • アメリカのバイデン前副大統領などがウクライナの政権と独立正教会設置を支援しており、宗教の問題を装った西側諸国の政治的・侵略的活動の一環だとロシア政府はみています。したがってロシア政府はそのような行動に対する対応をとる可能性があります。なお、バイデン前副大統領の生きているほうの子息が、ウクライナの企業の幹部(取締役?)の席を提示されたという報道が数年前にありました。
  • 10月11日のコンスタンティノープル側の声明は、主にロシア正教会によって Anathema (簡単にいえば破門の重いほう)を受けていた教会法上合法でない人物への Amathema を撤回するということであり、独立承認に向けた継続する意思は示しているものの独立を承認したなどとは明言してはおらず「あなたたち要はなにをいってるの?」レベルの不鮮明さが含まれています。
  • 今後、ウクライナ政府は、ロシア正教会系のウクライナ正教会の教会財産の接収に動くことになります。すでに同教会へ攻撃を加えている、ナショナリスト、過激派らの行動がさらに過激さを増す可能性も極めて高い状況です。もはやウクライナはシリアより危険な場所になる可能性が出てきています
    • ウクライナへの渡航は自己責任で
    • ウクライナに関わらず、東方正教会関連の聖堂・修道院・歴史的な遺跡などに観光するのも自己責任で
  • なお、主にエストニアに不穏な状況が波及する可能性があります。エストニアでは1990年代に、今回のものより小規模ですが同様の争いがありました。2018年10月9日にロシア正教会系のエストニア正教会のトップがエストニア首相を訪問しています

 なお、そもそもの問題、「教会法上合法な教会」ですが、これは狭義では、「コンスタンティノープルの全地総主教庁及び、全地総主教庁に認められている13の独立正教会(それぞれの傘下の自治的権限を持つ教会を含む)」のことを指します。
 これだけ見ると、コンスタンティノープルの全地総主教庁がすべてを判断する場所のように思えますが、一方で、この地位は儀礼的なものであり、各独立正教会は同格、ともいわれます。
 問題が起きなければ別にどちらでもいいことなのですが、起きてみると、この二つは明らかに矛盾しています。

 また、「教会法上合法な教会」のみならず、それ以外の東方正教会系の「教会法上合法でない教会」を含めても、ロシア正教会の信徒が圧倒的に多いという現実があります(宗教人口の計測は難しいものですが、教会法上合法でない教会を含めても信徒数の半分以上がロシア国内のロシア正教会の信徒という結論が出せる調査もあります)。
 コンスタンティノープルの全地総主教庁とロシア正教会の間が完全に断絶した場合、コンスタンティノープルを正統とみると、信徒数が半分以下に減ります。それも、残りの全員がついている前提で、悪くすると、オリエント正教会系のエチオピア正教会単独より信徒数が少なくなる可能性もあります。
 そもそもトルコ当局はもとより「なにが『全地』だ! おまえは『イスタンブール総主教』だ!」と全地総主教の称号を認めていませんが、「全地」は無論のこと、コンスタンティノープルという名称自体を使用すること自体が敬意の表明でもあるので、今後のさらなる関係悪化にともない、ロシア正教会などが「イスタンブール総主教」「イスタンブール教会」などと呼称し始める可能性があります(トルコ当局の意見を尊重しただけですね)。

 

 ウクライナ・エストニアのほか、東方正教会内の「教会法上合法な教会」の間で以下のような管轄などに関する争いがあります。

 全地総主教庁とギリシャ正教会:
 ギリシャ国内にはコンスタンティノープルの全地総主教庁が管轄権を維持している地域が多数あり、それらはギリシャ正教会に「預けられている」ともいわれますが、実態としてコンスタンティノープルはギリシャ正教会側を尊重して動いておらず、ギリシャ正教会側の不満は高まっていることが報道からうかがわれます。

 エルサレム総主教庁とアンティオキア総主教庁:
 エルサレム側が一方的にカタールに大主教庁を設置したことにより、関係が断絶しています(当時、アンティオキアがエルサレムを“破門”と報道されました)。
 本来このような場合に調停をおこなうべき、コンスタンティノープルの全地総主教庁は、なにもできていません。
 そろそろ回復は無理だと判断され、シスマと呼ばれてもいいころ合いですが(もはや関係復帰がないと判断されるのがシスマ)、両教会ともロシア正教会との関係を重視しているためか、そうは呼ばれないことがほとんどです。とはいうものの、ロシア正教会にも調停は不可能でしょう。

 ロシア正教会とルーマニア正教会:
 モルドバ共和国に関する管轄権について、根本的には解決していないものの、当面のところ深刻な問題にはなっていません。
 今回の問題が飛び火する可能性も今のところないと思われます。

 マケドニア共和国(マケドニア旧ユーゴスラビア共和国 : FYROM):
 「教会法上合法でない教会」である「マケドニア正教会-オフリド大主教庁」が存在し、セルビア正教会下にある(「教会法上合法な教会」である)「正教オフリド大主教庁」と対立しています。
 一方、ブルガリア正教会は、「マケドニア正教会-オフリド大主教庁」を「教会法上合法な教会」と位置付けようとしています。
 コンスタンティノープルの全地総主教庁は、「マケドニア」に関連する名称を一切認めないが、これを使わなければ受け入れる(=セルビア正教会との関係の断絶も辞さない)意思を示しているため、「名前を変える」「いや変えない」「今までの立場を捨ててセルビア正教会系に合流」とフェイクニュース(?)が相次いでいますが、最新の報道によれば名称を維持するつもりのようです。であれば、コンスタンティノープルの全地総主教庁の承認による「教会法上合法な教会」となることは難しいです(追記:2018年10月17日:全地総主教は「名前を変えてもダメ」と回答したようです)。
 ブルガリア正教会が単独で独立正教会として承認したり、自らの管轄権下の自治正教会と認めることはできますが、その場合、コンスタンティノープルの全地総主教庁だけでなくセルビア正教会やロシア正教会を敵に回すことになり、マイナスが大きすぎるため、東方正教会の分裂が確定的にならない限り、そうはしないでしょう。

 アメリカ正教会【OCA】:
 ロシア正教会が独立正教会として認め、他の数教会が追随していますが、コンスタンティノープルの全地総主教庁は独立正教会として承認していません。
 一方、同教会の聖職者に関しては「教会法上合法」であるという前提で対応しているため、細かく位置付けるのは難しいですが、全地総主教庁にとっては独立正教会ではないが独立して意思決定をおこなっている合法集団とでもいうべきものになっています(ロシア正教会は、自らの組織に所属したことがある聖職者についてはロシア正教会の一員とすることもありますが、最初からアメリカ正教会のみ所属している、あるいはほかの教会からアメリカ正教会に合流した聖職者については、ロシア正教会とは【同じ一つの教えを報じているものの】直接関係ないという立場にみえます。したがってアメリカ正教会をロシア正教会の一部としてみるのは現在では困難です)。
 コンスタンティノープルの全地総主教庁とロシア正教会の間が断絶になると、この教会の位置付けは微妙になりますが、一方、全地総主教庁系のフィンランド正教会とアメリカ正教会の交流は親密である、というよくわからない状況もあります。

 全地総主教庁管轄権下の自治正教会・フィンランド正教会:
 隣接しているため、問題が波及する可能性が上昇しているように思えます(コンスタンティノープルの全地総主教庁管轄権下の自治正教会フィンランド正教会が「ロシア正教会との対話の準備がある」。一方「全地総主教庁のやったことは正しく、ロシア正教会のやったことは一方的で悲しいことだ」(2018年10月)……対話する気はゼロ)。

 

 その他、コミュニオンの関係により、「教会法上合法な教会」になりうる団体。

 モンテネグロ正教会:
 セルビア正教会から「独立」しましたが、セルビア正教会が承認しないのみならず、現在のトップであるモンテネグロ府主教ミハイロ座下がコンスタンティノープルの全地総主教庁から破門されているため、動きはほぼないでしょう。
 とはいえ、今回コンスタンティノープルの全地総主教庁が Anathema を解除したフィラレート聖下率いる「教会法上合法でない(とはもはや完全にはいえませんが)教会」キエフ総主教庁とモンテネグロ正教会はフル・コミュニオンの状態にあります。全地総主教庁はセルビア正教会と争うことをためらうつもりはなさそうなため、一夜で手のひら返しがあるかもしれません。
 また、モンテネグロ(国家)の西側接近により、ミハイロ座下が(教皇就任前の)ローマ教皇フランシスコ聖下と一回あったことがあるだけしか根拠はありませんが(根拠というほどでもないですが)、東方正教会を完全に見限り、ローマ教皇とフル・コミュニオンの関係に入る可能性も超ほんの少しだけあるのではないかと思います。

 アブハジア正教会:
 ジョージア【グルジア】がアブハジア自治共和国の実行統治を失ったため、“アブハジア共和国”内で独自に活動している正教会です。ジョージア正教会【グルジア正教会】はもちろん認めていません。
 ロシア正教会とジョージア正教会の関係が断絶した場合、ロシア正教会下で地位を認められる可能性があります。

 

 以上、いろいろ述べましたが、コンスタンティノープルの全地総主教庁の今回のおこない自体が「教会法上合法でない」と述べる各教会関係者もおり、「教会法上合法」「教会法上合法でない」というのは、もはや実効性が伴わない限りなんの意味もない屁理屈であるのが現実です。

 


 

 コンスタンティノープルの全地総主教庁が、ウクライナの管轄権を手放したことはないと発言したことにより、ロシア正教会モスクワ総主教庁との対立は引き返せないところまで来ました。

 西暦2018年、東方正教会は首位性を持っていたコンスタンティノープルの全地総主教庁と信徒数最大のロシア正教会の関係が破壊され、教会大分裂がおこりました

 今はまだ、多くの人々はそう認識していないというだけです。
追記:
 そろそろそう思い始めている人も多いでしょう。

 いくつかの独立正教会が求めている問題解決のための汎・東方正教会の会合を、「全地総主教庁はその予定はない」と教会法上合法でない教会の主教が回答するという有様です。東方正教会とは……、「一つの教えを奉じている」とは……、教会法とは……なんだったのか
 もはや教会法上合法な教会など存在せず、派閥が存在するだけなのでしょう。

 この後、どのような経緯をたどって、「東方正教会は分裂した」という事実が認識されていくのかはわかりませんが、東西教会大分裂の経緯が参考になるでしょう。

 

キリスト教/ロシア正教会モスクワ総主教キリル聖下のコンスタンティノープル全地総主教庁訪問始まる。全地総主教バルソロメオス聖下と主にウクライナの問題について会談予定(2018年8月)

2018年~ ウクライナへの独立正教会設置を巡るコンスタンティノープルの全地総主教庁とロシア正教会モスクワ総主教庁の対立関連の記事一覧

 

 2018年8月31日、キリスト教/東方正教会/ロシア正教会の首座/モスクワ・全ロシア【ルーシ】総主教キリル聖下(キリール総主教 : His Holiness Kirill, Patriarch of Moscow and all Russia【Rus’】)は、トルコ共和国イスタンブールの全地総主教庁【コンスタンティノープル全地総主教庁】を訪問しました。
 空港では、全地総主教庁のサッシマ府主教ゲンナディオス座下(His Eminence Metropolitan Gennadios of Sassima)らが出迎えたようです。
 全地総主教庁では、さらにスミルナ府主教バルソロメオス座下(His Eminence Metropolitan Bartholomew of Smyrna)らが出迎え。

 かねてより、モスクワ総主教庁と全地総主教庁の間で問題となっている、主にウクライナの件について、キリスト教/東方正教会首席/コンスタンティノープル=新ローマ大主教・全地総主教バルソロメオス聖下(バーソロミュー1世世界総主教バルトロマイ1世ヴァルソロメオス1世 : His All-Holiness Bartholomew, Archbishop of Constantinople-New Rome and Ecumenical Patriarch)との間で会談がおこなわれます。

 ロシア正教会より、モスクワ総主教庁渉外局長ヴォロコラムスク府主教イラリオン座下(ヒラリオン府主教 : His Eminence Metropolitan Hilarion of Volokolamsk, chairman of the Moscow Patriarchate’s Department for External Church Relations (DECR))が同行している模様。

 会談には、そのイラリオン座下と、全地総主教庁側からフランス府主教エマニュエル座下(His Eminence Metropolitan Emmanuel of France)が同席。

 

russianchurch(ロシア正教会モスクワ総主教庁公式チャンネル):
Состоялась встреча Предстоятелей Константинопольской и Русской Православных Церквей – YouTube

 

 (ギリシャ語)Κωνσταντινούπολη: Σε εξέλιξη η πιο σημαντική συνάντηση των Πατριαρχών Κωνσταντινουπόλεως και Μόσχας – ΟΡΘΟΔΟΞΙΑ INFO

Orthodoxia.Info – Άφιξη του Πατριάρχη Ρωσίας στην…

 

Телевизија Храм:
Сусрет васељенског патријарха Г. Вартоломеја и московског патријарха и целе Русије Г.Кирила – YouTube

 

 (英語:コンスタンティノープル全地総主教庁公式サイト)
His Beatitude Patriarch Kirill of Moscow at the Phanar – News Release – The Ecumenical Patriarchate
 (英語:コンスタンティノープル全地総主教庁 世界教会協議会代表部 公式サイト)His Beatitude Patriarch Kirill of Moscow at the Phanar – Ecumenical Patriarchate Permanent Delegation to the World Council of Churches

 (英語:ロシア正教会モスクワ総主教庁渉外局公式サイト)Primates of Church of Constantinople and Russian Orthodox Church have begun their meeting | The Russian Orthodox Church
 (英語:ロシア正教会モスクワ総主教庁渉外局公式サイト)Fraternal meeting of Primates of Church of Constantinople and Russian Orthodox Church | The Russian Orthodox Church

 (ロシア語:ロシア正教会モスクワ総主教庁公式サイト)Началась встреча Предстоятелей Константинопольской и Русской Православных Церквей / Новости / Патриархия.ru
 (ロシア語:ロシア正教会モスクワ総主教庁公式サイト)Святейший Патриарх Кирилл: Это был разговор Предстоятелей, сознающих ответственность за состояние Вселенского Православия / Новости / Патриархия.ru

 (ウクライナ語:ウクライナ正教会公式サイト)Patriarch Kirill discusses results of the meeting with Ecumenical Patriarch Bartholomew: "The conversation was very proper" – Українська Православна Церква
 (ウクライナ語:ウクライナ正教会公式サイト)Святіший Патріарх Кирил розповів про результати зустрічі з Константинопольським Патріархом Варфоломієм: «Бесіда була дуже правильною» – Українська Православна Церква

 (英語:ルーマニア正教会通信)Patriarch of Moscow arrives at the Phanar – Basilica.ro
 (英語:ルーマニア正教会通信)Best pictures from the meeting of Russian Patriarch Kirill and Ecumenical Patriarch Bartolomeu – Basilica.ro
 (英語:ルーマニア正教会通信)Ecumenical Patriarchate issues communique following Patriarch Kirill's visit to Constantinople – Basilica.ro

Basilica.ro (EN)さんのツイート: "Patriarch of Moscow arrives at the Phanar: https://t.co/Scm8Ekjlza… "

 

 (英語)The meeting between the primates of the Constantinople and the Russian Churches is taking place / OrthoChristian.Com

 

 ウクライナのポロシェンコ大統領をはじめとする政治家たちの「独立正教会をウクライナに」という要望と、大昔からの全地総主教庁とロシア正教会モスクワ総主教庁の対立が混ぜ合わさり、メディアを見る限りでは、着地点は見出しがたい状況に思えますが……。

 

追記:
 会談終了後、キリル総主教聖下はインタビューに答えています。
 バルソロメオス聖下との同意がなければ、詳細を語るつもりはないとのことです。

 (英語:ロシア正教会モスクワ総主教庁渉外局公式サイト)Patriarch Kirill: It was a talk of Primates aware of their responsibility for the state of Universal Orthodoxy | The Russian Orthodox Church

会談後の、キリル総主教聖下へのインタビュー/
russianchurch(ロシア正教会モスクワ総主教庁公式チャンネル):
После встречи с Патриархом Константинопольским Патриарх Кирилл ответил на вопросы журналистов – YouTube

 

 イラリオン府主教座下の記者会見。

 (英語:ロシア正教会モスクワ総主教庁渉外局公式サイト)Metropolitan Hilarion of Volokolamsk: It was a talk from heart to heart | The Russian Orthodox Church

 ウクライナ系メディアが伝えている内容について、両総主教と、同席した座下自身とフランス府主教エマニュエル座下しか会談の内容を知らないはずなのに、彼らはいったいどこから聞いたのか内容自体に疑問を呈しています。

 一方、エマニュエル座下の発言を報道したギリシャ系メディアの内容については、内容を否定していません。

 また、今回の会談でなにが合意されていようとも、両教会の正式な決定はそれぞれの聖シノドでおこなわれるものである、とも指摘しています。

 

続報:
 キリスト教/コンスタンティノープルの全地総主教庁が、ウクライナの独立正教会設置に向けてキエフにおける総主教代理を二名任命。ロシア正教会系のウクライナ正教会は激しく反発(2018年9月)
 キリスト教/コンスタンティノープルの全地総主教庁がウクライナへの独立正教会設置のために総主教代理を任命したことについて、ロシア正教会聖シノドは「(バルソロメオス総主教は)事実上は一度も持ったことのない指揮権があると勝手な解釈をしている」「このような『反・教会法的行為』の全責任は彼個人とその支持者たちにある」と宣言(2018年9月)