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2018年10月24日に、キリスト教/ローマ・カトリック教会/アメリカ合衆国のマーティン・デイヴィッド・ホリー司教座下(Bishop Martin David Holley)がメンフィス司教を解任されました。
この理由について、虐待関連の話が報道された枢機卿との関連の話が出ましたが、バチカン、本人ともに否定。
本人は、 Catholic News Agency の取材に対し、2012年に当時のローマ教皇ベネディクト16世聖下(His Holiness Pope Benedict XVI)から当時のワシントン大司教ドナルド・ウィリアム・ワール枢機卿座下(His Eminence Donald William Cardinal Wuerl)の国務省長官への適性に関する質問を受けて(当時ホリー座下は同教区の補佐司教)、「職務への適性が心配」との回答をしたために、同枢機卿は国務省長官になれず、今回その報復を受けた、と回答しています。
※本当にベネディクト16世とホリー司教の間でそのようなやりとりがあったのか、またあったとしてベネディクト16世がホリー司教の回答を重要視したのかは不明。
一方で、バチカンは教区管理の問題としており、こちらでは起こった出来事については見解の相違はないようです。
ホリー司教座下は、教区の組織構成を大幅に変えようとしたり、側近となる司祭を呼び寄せてすぐに重要な地位に昇格させたり、ということをした模様。
これについて座下は、組織が体をなしていなかったことと、呼び寄せた司祭はよく知っている人物なのでなんの問題もないとしています。また、黒人なので差別があったとそういうコメントもしているようです。
これらに関して、大幅な組織構成の変更は通常あり得ないほどということと、司祭の重要役職への昇格に関しては同地への赴任から五年くらいかかるとの指摘もあります。また、この司祭が、過去に司教の許可を得ずに悪魔祓い(エクソシズム)をおこなったとの話もあります。
真偽は不明なものの、正直なところ大物というわけではなさそうですし、支持者が多数集まっているわけでもなさそうなので、さほど興味はわきません。
本人はスピリチュアル・バトルの始まりといっているようですが、具体的になにをやるのかはまったく見えてきません。
ただ、もしベネディクト16世聖下が本当にホリー司教座下に適性を尋ねその回答を重要視したとするなら、聖下から評価を受けている可能性もあり、その方面で失地回復を図っていくかもしれません。
(英語:ローマ教皇聖座公式サイト)Resignations and Appointments, 24.10.2018
(英語:バチカンニュース)Pope removes Bishop of Memphis from pastoral care of his diocese – Vatican News
(英語:Catholic News Agency)Bishop Martin Holley says Cardinal Wuerl influenced his removal from Memphis
(英語)The mysterious removal of Bishop Holley | CatholicHerald.co.uk
キリスト教/東方正教会/ギリシャ正教会の聖シノドの定例会合が2018年11月5日~11月7日の日程で開催予定です。
議題の中心はツィプラス政権による国家と教会の分離を進める憲法の改定案についてとみられており、重要性の低いほかの問題が取り扱われるかどうかはわかりません。
(ギリシャ語:ギリシャ正教会公式サイト)H ΕΚΚΛΗΣΙΑ ΤΗΣ ΕΛΛΑΔΟΣ : Ιερά Σύνοδος Εκκλησίας Ελλάδος – Δελτία Τύπου της Ιεράς Συνόδου
(ギリシャ語)Τη Δευτέρα συνεδριάζει η Ιερά Σύνοδος – ΒΗΜΑ ΟΡΘΟΔΟΞΙΑΣ
(ギリシャ語)Ιερά Σύνοδος: ''Θα τοποθετηθούμε αρμοδίως τον Νοέμβριο''
BBCロシア語が、キリスト教/東方正教会/コンスタンティノープル全地総主教庁のテルメッソス大主教ヨブ座下(Archbishop Job of Telmessos)へのインタビューの記事を掲載しています。
ざーっと見てみましたが、とにかく長いうえに、大半がこちらには判定できない内容なので、詳細は読まないとは思います。
この記事について、ロシアの正教会系サイト「OrthoChristian.Com」は、
(英語)Not only can we give, but we can also take away autocephaly—Abp. Job (Getcha) / OrthoChristian.Com
(英語)“The Moscow Patriarchate no longer exists in Ukraine today”—Abp. Job (Getcha) / OrthoChristian.Com
「我々は独立を与えるだけでなく、剥奪することをもできる」と見出しにつけて紹介しています。
当方はざーっと読んだだけなので、BBCロシア語の記事において、直接この部分にあたる箇所を見つけていません。
とはいえ、全地総主教庁がそう考えているのはほぼ間違いないでしょう。
近代において、彼らは、ギリシャ正教会の独立を認めた後に剥奪しています。
そうなると、独立正教会というのは、「そもそも独立しているのか」というのが疑問になってきます。Autocephaly な 教会を「独立正教会」または「独立教会」としたのは、誤訳の類で、実際は「いつでも権限を剥奪される可能性のある自治的な教会」のことでしょう(全地総主教庁の見解が正しいとすれば)。もちろんこれでは Autonomous な教会との差がわかりませんが、「いつでも権限を剥奪される可能性のある第一級自治正教会」と「いつでも権限を剥奪される可能性のある第二級自治正教会」とでもすればよろしい。
それにしても独立正教会が実は「独立していない正教会」のことだったとは……。
また、座下は、1054年の東西教会分裂(教会大シスマ)のときと今では状況が違うことを述べています(1054年についてはめんどくさい話にもなりますので、とりあえず象徴的な年だとして先へ話を進めましょう)。
要するに、東西教会分裂は神学上の違いなどがあったのに対し、今回はそんなものはない、シスマなどといっている連中は人々を脅しているのだ、ということです(当方のサイトもシスマといっているので、大主教からお叱りを受けてしまったことになるのでしょう!)。
しかし、座下の発言全体をざっくり要約すれば、「我々が正しい。ロシアは従わないなら教会法違反。異論は認めない」といっているだけ。
ウクライナ系の人物が話し合いをする気がない意思をロシアに対して示しているのは、なるほどシスマではなく、ただの世俗的ケンカにすぎないともいえるでしょう。
ですが、2016年の聖大シノド(The Great and Holy Synod)の件をみても明らかなように、教えに関しても分裂の兆しははっきりとあります。
あるいは教会法についてまともな統一的見解も出てきていない状況を見れば、「一つの教えを奉じている」などというのが大嘘か大間違いで、「一つの教えを奉じている詐欺」か、「一つの教えを奉じているつもりだったがそんなことはなかったぜ!」というオチすら見えてきています(これについては本気で疑っており、検証すべきことだと考えています)。
いずれにせよ、座下の定義するシスマにあてはまるかそうでないかはともかく、東方正教会は分裂するので(話し合うつもりがないんですから)、これからもシスマと書きます。
そのほか、(ロシアのみならずオランダ系の機関による)世論調査で全地総主教庁の見解(ウクライナの人々が望んでいる)とは明らかに反する結果が出たのを意識したのか、「議会の多数の賛成があれば多数の人々が望んでいるということなのだ」という理屈をおっしゃっています。
ジャン=ジャック・ルソー以降、思想家は、民意(民意に相当する言葉)をベースに、民主主義と現在いわれているよくわからない考えの集積について頭をひねってきましたが、結局のところ、民意というものがとらえどころがない=なんとでもいえるという現実を克服することはできず、「でも豊かで平和だしこれからも世の中はよくなるだろう」という夢にまどろんで仕事をサボっているうちに、アメリカや西欧は(他の地域も)とんでもない状況を迎えています。
そんな時期に、「議会の多数の賛成があれば多数の人々が望んでいるということなのだ」。……こんなものは今どき意見のうちにも入りません。
世俗化(=聖職者はバカなので宗教に金や時間をつぎこむのはムダ)が進むわけだと納得してしまいました。いやまあ……もとから知ってました……けど。
ともあれ今回のインタビュー、読みこむ気がまるでしませんが、キリスト教、東方正教会のダメっぷりをあらわす記念碑的なものになっているのではないか、と強引に歴史的評価をして感想を終わりたいと思います。
新約聖書/マタイによる福音書/10章/34節 より:
わたしが地上に平和をもたらすために来たと考えるな。平和ではなく剣をもたらすために来たのだ。
キリスト教/オリエント正教会/コプト正教会/ロンドン大主教【ロンドン大司教】アンゲロス座下(His Eminence Archbishop Angaelos of London)は、エジプト・アラブ共和国で起こったコプト正教会の信徒への襲撃に関して声明を出しました。
(英語)The Coptic Orthodox Church UK: Statement by His Eminence Archbishop Angaelos, Coptic Orthodox Archbishop of London, following the murder of seven, and the wounding of at least a dozen others, outside a monastery in Upper Egypt
(英語)Statement following the murder of seven, and the wounding of at least a dozen others, outside a monastery in Upper Egypt. | Bishop Angaelos.org
Statement https://t.co/zI4MLwKDJb by HE Archbishop Angaelos @BishopAngaelos following the brutal murder of seven, and the wounding of at least a dozen others, outside a monastery in Upper Egypt pic.twitter.com/915dOzn0pu
— CopticMediaUK (@CopticMediaUK) November 2, 2018
Confirmed from sources in #Egypt
Deadly Islamist attack on #Coptic #Orthodox pilgrims enroute to ancient monastery in Upper Egypt with multiple fatalities and injuries. Praying for our departed, injured and surviving brethren, and those mourning loved oneshttps://t.co/42SYnUsBgv— Archbishop Angaelos (@BishopAngaelos) November 2, 2018
一般報道:
エジプト キリスト教徒乗ったバスが武装グループに襲撃される | NHKニュース
キリスト教系メディア:
(ギリシャ語)Αίγυπτος: Πυροβολισμοί εναντίον λεωφορείου με Χριστιανούς – ΒΗΜΑ ΟΡΘΟΔΟΞΙΑΣ
(ギリシャ語)Αίγυπτος: Τουλάχιστον 7 νεκροί από την επίθεση εναντίον λεωφορείου με Κόπτες Χριστιανούς – ΒΗΜΑ ΟΡΘΟΔΟΞΙΑΣ